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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1855/2359

- C 728話 台州よふたたび 8 -

 それからは突貫工事。

 水陸両用だった装甲車も、大改修する。

 目的は小型潜水艇のようなもので、水中速力は7ノットで走り。

 水上では12ノット、陸上では時速45kmの走行が可能な乗り物となる――これらの改修により自衛用装備させてたエサ子用砲台は、撤去される。

 で、エサちゃんが拗ねた。

 ま、こればかり仕方ない。


 何せ潜水艦の拡張された格納庫に入れるわけなのだけども。

 浅深度でなければ発艦出来ないってのは、それはそれで致命的だし。

「常設装備から撤去するだけで、陸に上がれば機関銃座の解放は可能だよ?」

 大砲は落とす。

 代わりに対空も兼ねる13ミリの機関銃を載せる。

 7~8メートルちかい巨大さから、6メートル未満の装甲車になる。

 20ミリを超えると、徹甲弾とか榴弾なんかでバスケットの容量が必要になるし、車体が短くなのだから武器も小ぶりになって当然。ま、エサ子には悪いんだけど...

「じゃ、諦める」

 ふんすーって鼻息は荒かった。

 泣く泣く諦めた感じか。


 “湖の乙女”号の改修も、ハナ姉が監督するという形で進められる。

 電磁カタパルトで射出される観測機ともども撤去された。

「なぜだー!!!」

 泣きずれる飛行士。

 複座式の航空機の撤去と、別の任務に回される人事異動。

「ちょ、ちょっと?」

 ヴィヴィアンから説明を求められた。

 いや、工事に入る前、その前にも改修用の具体的な計画書は皆の合意を取っている。

 取ってあるからこそ、聖櫃の修繕班はハナ姉の下で黙々と働いているんだけど。

 どうした、副総長さん?

「ここにあった、トイレどこにやったのよ!!!」

 格納庫に入ったすぐ真横には、男女別のトイレがあった。

 タンクが溜まったら、海に投棄してた。

 うーん...

「知らん」

 ま、ハナ姉は存在を知らないんだから、衝突後にどうなったかなんて。

 汲み取ってなかったんだからと、取り下がる感じで噛みついてきた。

 あ、ああ。

 そうか、タンクの汚物の行方が知りたいと?!

「じゃ、これか?」

 投棄弁も壊れてるんで、蓋が外れてるっぽい。

 これも格納庫が内側に向かって潰れた原因だろう。

 ただただ助かったのは、各部位ごとに単体のブロック構造になっている為、艦内気圧と外圧間の変化で船が壊れそうになると、ブロックひとつを犠牲に出来るシステムだという。

 まあ、可能庫はそうして完全に壊れたわけだ。

「トイレ戻して!!」


「え? 今更」

 ボクらの装甲車が居なくなったら、また格納庫になる。

 ま、今度こそただの物置小屋になるかもしれないスペースではあるんだけど。

「もっといいもん載せてやるよ」


「ほ、ほんとに?」

 イケメンであればここで『漢に二言はない』とか、臭いセリフを吐くのだろうけど。

 ハナ姉は、

「マル次第だがな」

 と、ボクに振るんだよね。

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