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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1853/2368

- C 726話 台州よふたたび 6 -

「銀レベルのハイクォリティってとこか」

 こぶし大の粘土で、平均値を越えさせられる限界点はせいぜい1kg未満。

 やっぱりコストが見合ってない。

 いや、むしろ。

 HQの魔王領産だからこそ、銀レベルでHQも超えたと言える。

「いやあ、やっぱ勿体ないっすね」

 頬の稜線が潰れるまで、顔を拭う。

 ボクでも勿体ないと思う。

「ただ、同じマイスターでもマルさんだからこそ、そのレベルに到達したとも言えなくはないかって。あなたの腕は至宝ですんで、一般的な錬金術師はこうは行きません。ですから皆、無謀なことをしないんですよ」

 値崩れが起きる可能性は、ボクだから...か。



 さて。

 粘土の品質変化に苦慮してた訳だけども。

 エサ子が、自身のストレッチ中に()()を頼んでた。

 ぴっちぴちのウェアと、肌を滑り落ちる汗をかいた小さな体。

 ボクからしたら、ひとり何?成長してんの、だけど。

 皆からしたらだ。

 ボクと大差ないらしい小柄さ。


 そんな彼女の出前の量は半端なく。

 特急で来た自転車は...

 ははっ、4輌かよ。

「どんだけ喰うの?」


「動いた分だけ、摂取カロリーを」

 豚足を差し出してきた。

 いや、ボクはその見た目がダメで。

「そ」

 食事中は口数も、対応も塩になる。

 エサちゃんらしいんだけど。


 ん? 待てよ。

 出前か...。



「魔界から、か?!!」

 ハナ姉の反応を見る。

 彼女に投げれば、問題点の解決が早まるから。

 ボクの頭脳代わりに。

「いあ、問題は無いだろうが...」


「が?」


「上の連中は拗ねると思うぞ。利用するのは有料のペンギン急便なのだろう? あの空飛ぶイワトビペンギンみたいな眉毛の濃い、動物の癖に異様に精悍な顔つきのイケメンなペンギン。同じ鳥類だったら...うむ、間違いなく一戦いや、一晩賭けて夜の運動に付き合ってもらいたいと思わせる、そんなペンギンだろ?」

 っ、ハナ姉からそんな話を聞くことになろうとは。

 男は無理だが、オスはいいのか...

 いや、卵を産みたいの???


 待って、待って。

 理解が追い付かない。

「...ま、冗談はさておき。魔界からの超特急便だと何日待つことになる?」

 その辺の調べは抜かりないよ、ボク。

 提案するんだから、さ。

 リサーチ済みさ。

「2日とかからないと思う」


「ダメだな。却下だ!!」

 即断された。

 なんでって言葉は、ボクの無知から出る。

「無為な時間を2日も賭ける意味がないって事だ。だから、上の連中が拗ねると言った! 彼らの方が早く物資を届けてくれるし、そもそも懸念は...輸送手段なのだろう?」

 あ、うん。

 空飛ぶイワトビペンギンらが低空飛行で飛んできても、バレそうだし。

 粘土の数十トンでも料金が跳ねる。


 とりあえず、試しにウナちゃんへ具申したら...

 即断で断られた。

「まあ、そういう事だ」

 これは義姉の忠告通り。

 半日で解決できる上の連中と要相談となって――

「マルが自分で考えるようになったことは、わたしも嬉しいぞ」

 と、ハナ姉が理由をつけてボクを吸う。

 これさえ無ければ、まあ。

 いい姉なんだけどもなあ。

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