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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1836/2366

- C 709話 共同戦線 9 -

「そう、選定されなかった世界。表向きはバックアップ用に遺しているって話なんだけど。公式の運用元からすると、地域だけを切り抜いて用いるには、元データが恐ろしく複雑だったという話なんだ。何せ、星をまるごと観測するために作られたモデルだからねえ~」

 ヴィヴィアンの熱弁。

 彼女も聖櫃だから、この辺りの事情には詳しい。

 その事情というのは、社外秘であるんだけど。


 どこからの情報なんだろう。

 あ、いや。

「ウナちゃん?!」


「うむ」

 讃えよみたいな姿勢。

 カモーンって、仰ぎ見るよう仕向けてくる。

「ここが所謂、別世界って知ってたの?! いや、知ってたよね!!」

 乳首をピンポイントで小突く。

 これ当てられると、凄く痛いんだけど。

 お仕置きです!!

「あ、はふっ」

 ヤバ、外した。

「仕方のない奴だ、ここはだな」

 ()()やるものだと、言わんばかりにハナ姉の指が。

 いや細くて長い腕が視界の端から見えた。

 で、押す。


 核のスイッチでも押し込むように。

 ごくごく自然に......ぽちっとな。

「ぎゃあああう~」

 ああ、痛かったか。

 涙ちょちょぎってる。

 背中から床に倒れて、ウナちゃんが悶え苦しむさま

「あんたら、めっちゃ怖いことすんのな」

 ヴィヴィアンもだが、アロガンスにエサ子まで乳首を隠す仕草。

 海図を見せてくれた士官も――乳首を両腕で隠している。

「そこまで見境なくしないよ!!!」


「信じられるか!」

 乳首のダイレクトヒットは痛いんだぞって吠えられた。

 知ってるよ。

 どっちかというと、義姉にやられる側なんだし。



 話が反れたけど。

 魔界からこちら側へ渡るときから、ほぼ異世界転移したようなものだという。

 この世界は、第3シーズン時の世界観を継続しているのだとか。

 表の運用サイドでは、第7シーズンの佳境とのことらしく。

 マナ鉱石が不正に流用してた事件も、表向き解決しているとのこと。

「マジで?!」

 言ってなかったっけみたいな、反応がウナちゃんから齎される。

 いや、言われてもねえよ。

 その前に、さ。

 ボクの生爪剥がしたりとか、してたじゃんよ。

「ウナ坊、ちょっと来い」

 ハナ姉に知られた。

 魔王たる威厳もなく、ノラ猫でも捕まえたように。

 首根っこで吊られる人を初めて見たような。


 おお、人ってああやって運ばれるのもあるんだ。

「うちの妹に何してくれてんだ?」


「あ、いや...それは、その...調査の一環というか」

 発令所じゃなくて良かった。

 見ている人はごくごく限られる。

 大の大人が怒られるのは、恥ずかしいことだけど――ああ、泣いちゃったよ。あ、いや、壁ドンの迫り方が怖いなあ。何気なくアロガンスに視線を向けると、ふるふる首が横に振られてて...あたかも自身と重ねているような。

 あんたは、何もしてないだろ。

 いあ、もしや売ったんか?!

「アロガンス!!?」


「い、いえ、ち、ちがいまーす!!!」

 だよね。

 あん時、いなかったもんね。

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