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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1835/2354

- C 708話 共同戦線 8 -

 さて共犯関係のおさらい。

「東洋を横断して、魔術師ガントさんと合流するとして。やっぱりこのままでは不味いよね」

 ボクらが壊しておいて言うのも。

「確かに。諸君らが体当たりしてこなければ、潜るという選択肢があった。その通りである...が、それなりの港湾施設が必要なのも事実で、喪失した事柄に今更嘆いたとこで...」

 割り切っていこうって姿勢は実に清々しいんだけど。

 海図を見させてもらう。

 ライトテーブルの上を指の腹でなぞりながら、

 すっと北の辺りを小突いてみた。


 ハナ姉も、意図が分かったようで。

「少し遠回りになるかも知れぬ」

 少しどころか相当かも知れない。

 そして、東洋の膝元に近いという立地も、ここは目を瞑るとして。

「なにか?」


「台州に寄ってはどうだろう?!!!」



 航海図に走る線の数々。

 どこをどう通るかで悩む、行先は“台州”でいい。

 傀儡・燕王国が出来てからは、かつての栄華は見られないとの話だけども。

 巨大な港湾施設は健在であるし、あれは民間の施設だ。


 誰に憚る事があるかって。

 いや、少々問題はあるか。

「少々?」

 懸念すべきはこの船の()かも知れない。

「“湖の乙女”号が何だって?!」


「あ、そんな名前なんだ」

 ちょっとかわいい響き。

 ボクのころころとした笑みに、ヴィヴィアンもまんざらでもなく。

「ふふん、いいでしょう!!」


「とはいっても軍艦だよね?」

 そうだ、そこ。

 プレイヤーの存在があった世界ころでなら、()()()()()()()()()()()()()は当たり前だった。

 そういう世界だったからだが。

 ボクらはそんなノラ軍艦を、一度も見ていない。

「当たり前じゃない! ここは隔絶された世界よ...えっと、魔術師がいうには...その、なんだっけ。あー、ほ、ほら...」


「パラレルワールドとか?」

 ハナ姉が助け船。

 いや、彼女は首を横にぶんぶん振っている。

 違ったらしい。

 違うって言うほど間違いではないらしく、

「剪定されなかった世界か?!」

 珍しくウナちゃんが、大人に見えた。

 いや、腕を組み物静かな雰囲気を漂わせる。

「そう、それ!! そこのお子様、物知りね!!!」

 あ、彼女は魔王ウナ・クールといって。

「剪定?!」

 ボクの思考が止まりかける。

 動いてるときも、必要のないことをぐだぐだ考えてはいるけども。


 ボクに囁く者あり。

 ――ちょっと待て、冷静になれって囁くもの

 耳元でくちゃくちゃ口を鳴らす、エサ子があり。

 いあ、彼女じゃないと思う。

 こう、こころの...

「冷静になれ、ウナ公の本職は調査そのもだろ...」

 語り掛ける声は、エサ子だった。

 的確なアドバイスをありがとう。

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