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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1833/2354

- C 706話 共同戦線 6 -

 聖櫃の総長が誘拐された事実が、とうとう明るみに。

 カイザー・ヴィルトにて従事している魔術師ガント派の幹部たちは、皆、知っている。

 その対立する派閥と、総長のファンクラブ親衛隊が袂を分かつように、外出中なのだ。

「ファンクラブ親衛隊?!」

 食いついたのはソコ。

 我ながら、アンテナの向きが違うのは理解する。

 ハナ姉からも飽きられたように、ため息を吐かれた。

 エサ子は、装甲車内で昼食、採ってるみたい。

「君たちのパーティも存外、自由な子が多いのな?」

 これはバカにされた。



 ――話を戻そう。


 遊興中の総長は、当初、誘拐されたものとばかり思われていた。

 しかし、親衛隊によるローリング作戦による、地道な創作活動によって――同組織内にある“()()()”という派閥の手により、元帥府に売られたというのが筋のようなのだ。元帥府における“強硬派”は“白服”と呼ばれていた。

 聖騎士らの甲冑色を軍服に落とし込んだようで。

 どうも、東洋軍内では同一視されているよう。

 だから...

「自分たちの行動の結果じゃないのか?」

 とか。

「皇族に近づくためのパフォーマンスだろ?」

 なんて言葉が返ってきたのだという。

 ファンクラブ親衛隊の怒りは、保護者を表明してた魔術師ガントに向けられた。

 当然と言えば、当然だろう。

「――と、まあ。身動きが取れなくなった...征伐が必要なら、今が絶好のチャンスだろう。煮るなり、焼くなり好きにしてくれても構わない。が、総長、彼女だけは...赦して欲しい。本当に虫のいい話だろうが、彼女には聖櫃がテロリストだという認識がなく、とても純粋に、人々が幸せになったらいいなっていう理想があるんだ!!!」

 そんなコト、聞かされたところでどうしたものか。

 この場のボクらに裁量権なるもんがあるとしたら。

 ちらっと、ウナちゃんを見る。


 ハナ姉も彼女の肩を揉みながら、それとなく耳打ちしてる。

 乳首を弄りつつ、

「マルちゃんは?!」

 なぜ、こっちに振った。

「ボク、パス!」


「じゃ、じゃあ...」

 アロガンスは『俺は糞してくる』って席を立った。

 曰く、ずっと我慢してて『頭が見えた感じがする』なんてボヤいてた。

 とうとう意見の出口が見えなくなったところで――魔獣肉を串焼きしてた、エサ子が戻ってきた。

 装甲車の調理場でボヤ騒ぎを起こし、コロネさんらから追い出されたようで。

「ちょっと焦がしただけなのに」

 反省の色は無し。



「はい、エサ子さん!」

 ウナちゃんからのキラーパス。

 事情の分からん子に振っちゃダメ!!!

「うーん... 獣王おやじなら弱ってるヤツと喧嘩するのは、卑怯者のスルことで。それは面白くないことだっていうよ。だから、困ってるってんなら全力で手を貸して...後腐れ無しの状態に戻すのがスジかなあ。やっぱさあ、喧嘩ってガチなりサシなりって、互いに必死じゃなきゃ面白くないんじゃない?」

 ふむ、脳筋な答えをありがとう。

 これはこれで方針としちゃあ、まともか。

 第二魔王領の暴れん坊将軍こと、獣王さまの教えに救われたか。

「じゃ、エサ子さんの採用!」

 あ~あ、キルダさんたちに相談しないで決めちゃったよ。

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