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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1832/2358

- C 705話 共同戦線 5 -

「――共同戦線?!」

 コウテイ・マンタ級の操艦ブリッジにて、椅子の背でストレッチ中の“シーラビット”族ウサギちゃんは、やや上ずった声でさえずった。収容目的のシャトルの射出の為に飛行高度を一時は下げたが、結局のところキャンセルされたので。

 再び、超高高度に上げてある。

 操艦の指揮官としては、無駄なことをさせられたと思ってた。

「聖櫃と、ですよね?」

 今、背伸びの方。

 暫くしたら、肩を入れて入念に...

 なんだっけ...

「うん!」

 元気な声――ウナちゃんだ。

 追撃者、捕獲者としての姿勢は崩していない。

 けど。

「けど? なんです」


「困ってるみたいだし!!」

 ウサギちゃんの首が横に振られた。

「私も困ってます、よ?」

 次元が違うと一周されたわけで。

 彼女にも怒らせてあげたいんだけど。


 今は未だ。



「共同戦線と言うのは、ボクたちにすると。魔界からくっついてきた()()たちに対して、ちょっと示しがつかない。だから提案なんだけど、ボクらは“共犯者”にならないかな?」

 セイル上部にある見張りから、上空の巨鳥が砲撃し始めているって“伝声管”を通じて報告してきた。

 手始めに。

 ボクらの罪は、ヴィヴィアンと魔術師の合流に手を貸すという事から。

「いあ、待て。待ってくれ...理解が追い付かない」


「――つまり、手を貸してくれるのか? 総長を東洋の魔の手から救い出すと??!」

 ん。

 えっと、何ソレ?

「.......あ、いや。待て話を戻そう。どこまで戻ればいい?」

 ボクらにも落ち着く場所が必要だ。




 共同戦線というのは、

 ヴィヴィアンが提案したもので。

 潜水艦が潜水できなくなった為に、洋上を巡航速度で航海しなくちゃいけなくなった。

 ここまでは分かる。

 ボクらが体当たりした()()だからね。

 無国籍の怪しい船だからって、()()()()()()で無暗に攻撃しちゃだめよって話。この辺りはボクらが全面的に非があるので、駄々を捏ねられたら『弁償』しなくちゃならない。

 ほら、彼女。

 一応、サバ公爵令嬢も演じてた訳で。

 面倒事になるよ、きっと。


「はあ、その手もありましたね」

 やめて、おねがい。

「冗談はそこら辺に置いておきます。概ね、そんな感じで...」

 魔術師の方は秘めてた()()を口に出した、バツの悪さが残る。

 目が泳ぎながら、

「そうか、そうか...ああ、なるほど。それで共同、共犯関係か」


「総長さんが何かって話は」

 ボクの声は届かなかったみたいだけど。

総長ねえさんがどうしたって?」

 副総長であるヴィヴィアンのは届いた。

 ぎこちないロボットダンス風に振り向き、

 魔術師は深く、とにかく深く首を下げて謝りだした。

「俺が、俺が見ているなんて、大口を叩いておきながら...」 

 まあ、この必死さで何となくは分かった気がした。

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