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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1829/2354

- C 702話 共同戦線 2 -

 発令所から直接、ボクらの装甲車へ声を掛けてきている。

 スピーカー放送にしないのは恐らくは、罵り合ってる乗務員たちへの配慮か何か。

 それでも、セイル上部にある水夫には一言。

 そう一言くらいはしかり吐けてほしい...

「姐さん、それはイケねえよ! こいつら当たり屋ですぜ!!!」

 発令所からも、やや批判的。

 セイル上部からは、罵倒が飛んでた。

 いや、どっちかにして。


 マジで。


 ――あいつら当たり屋ですぜ――これも、置換された翻訳された言葉であるんだけども...

 本当に適当な単語が選択されてるんだなあと、つくづく思う。

 当たり屋とはひどくない?

「当たり屋だろうが!! 乗船許可も待たずに他人さまの船にぶつけてくる輩に、どんな言葉が似合うというんだよ! この糞がっ!!!」罵り合いが再開されて、マイクを持つヴィヴィアンが咳払いする。

 流石にこの流れに彼女の方に苛立ちがみえたようで。

 スピーカーの向こう側で、何か鈍い音が聞こえた。

 セイル上部にあった水夫も、偉丈夫みたいなゴリラに殴られたようで...

「やかましいわ!! 四の五の言ってねえで、手前てめえらは次の見張り組と交代して、ブラシもってトイレ掃除だバカ野郎ども!!!」

 たぶん、もう2、3発の鉄拳制裁が飛んだ模様。

 なんて言うか、

 悲鳴みたいなもんが聞こえたような気がする。



「お見苦しいところを」

 “湖の乙女”号と、我らのゴーレム装甲車はアンカーケーブルで、しっかりと固定されたとこ。

 アンカーボルトで外郭装甲をぶち抜いて固定しようとしたら...

 流石に怒られたので。

 ハナ姉の交渉術による甲斐もあって、第3砲塔にしがみつくような形状となった。

 もっとも、衝突のせいで潜水も出来ないし。

 砲塔も動かない。

 潜水艦としても致命的、軍艦としても。

「いあ、こちらも失礼しました」

 交渉の席に気絶から覚醒した、ボクも加わった。

 ヴィヴィアン女史の目が大きく見開かれたようなきがしたけど。

 気のせいじゃなくて、

「確かに雰囲気だけならば、一恵かずえさんに似ている」

 は?!

 まさか、こんな場所で...

「叔母様の名が出るとは??」

 ボクの母なのに。

 ボクよりも早く、ハナ姉が反応した。

 いあ、確かに親戚の中で一番の年上で、かつ()()()との付き合いが長い、ハナ姉の方が反応速度が高くても...仕方ないかもしれないけど。其処は先ず、家族に譲ってもらえないでしょうか?

「あ...」

 ほら、ヴィヴィアンさんが困ってる。

 ボクの反応を見て、彼女は次のカードを切りたかったに違いない。

 すっかり牙が抜かれたような状況で。

「ハナさんが応えるとは」


「この()()()()()()なマルのどこが、一恵さんに似ていると? 流石に四六時中、それこそ風呂にも入れて、手足を洗い、髪をとかして『おっぱい大きくな~れ』ってまじないしながらマッサージをしているけど...やはり他人の目から見ると、何処が似ているもんかな?」

 い、いや、やめて姉さん。

 それはボクの恥をさらしてる訳で。

「どこがと言われると」

 まじまじと見る...

 でもなく、やや仰け反りつつ目が細くなっていくのがモニターごしにも分かる。

 余計な情報のせいで、あちらの困惑はそのままボクに反射するわけで。

 耳が赤いな?

 ハナ姉が真面目に問うてきたけど、無視してやった。


 もう、誰のせいだよ!!

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