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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1827/2354

- C 700話 悪役令嬢の進撃 30 -

「支援砲撃?!」

 座標も送ったけど。

 まあ、あっちも驚いてるだろうけども。

 こっちもこっちでね、色々あったんだわ――あれは、1時間前かな。



 海岸線へ向かう道すがらのこと。

「たぶん、見つけた」

 なんて曖昧な事を言う、エサちゃんがあってね。

 素で、宙を“くんくん”する子があろうとは。

 土煙なんかを吸こんで、咽てる姿も可愛いこと。

「何を見つけたの?」

 ボクは彼女に問うてみたのだ。

 エサ子の野生の勘というものに賭けたといってもいい。

 そうして彼女は、

「聖櫃の匂いがする」

 なんて言ってたんだが。

 聖櫃の匂いってのは何?



 およそ不用意に、ボクは砲座を見上げた。

 目の前に火花が弾けたような。

 ハナ姉は、ボクの膝の上でゴロゴロしてるし。

 いや、がっちり腰をホールドして太ももに顔を埋めてて――ちょ、動き難いことこの上なし。

 で。

 これだ!

 何がって聞き返すでしょ、エサちゃんに踏まれたんだわ、ボクが。

 不用意に見上げたから。


 エサちゃんは下着をつけていない!

 いあ、下の方じゃなく......上、の方ね。

 よれよれの首回り。

 その径が左右どちらかに偏れば、容易に肩が見えるくらいのシャツを着て。

 不用意に下から見上げると、アシンメトリな裾の隙間から、ヘソやら下乳やらが見えるワケ。

 ブラをしていない。

 ボクが知れば、次の行動は予測できる――口に出すんだわ『なんで着ないのか?!』と。

 運転中のアロガンスの耳に入る。


 まあ、流れはこんな感じだ。

「見えた!!」

 ――みえた?!


 操縦席の()()()からも、

「なるほど、アレか!!」

 目の前がちかちかするボクは、ハナ姉の責めも受け流せずに悶絶。

 代わりにコロネさんが操縦席側へ。

「何が!?」


「エサ子の言った裏取りだ。聖櫃の奴らだよ!」

 洋上を移動する黒光りの船体。

 セイル上部で警戒監視中の水夫も、ボクらを視認したようだ。

 船が潜航し始めたわけ。



 あのあと、どうして()()()()()かは...

 ボクにもよくわからない。

 ウナちゃんがアロガンスの耳元でか、或いはその傍で声高にか。

 兎に角、

『アクセルを踏めー!!』

 って叫んだのは聞こえた。

 ゴーレムの質量攻撃はバカには出来ない。

 数百年前。

 ゴーレムパンチを受けた勇者が、何百メートルも吹き飛ばされたのは圧巻だったし。

 ゴーレムキックでビキニ戦士が肉塊になったのもグロかった。

 僧侶によって蘇生されたら、なんか嗤ってて――ドン引きしたものだけど。


 まあ。

 ゴーレムの質量攻撃は凄まじいってこと。

 んで、この話のケツなんだけど。

 刺さってる。


 あーえー、っと。

 彼らの船に刺さった。

 こう、弓なりの弾道というか...軌道? そんな雰囲気で突っ込んで。

 ぐさっと。

 刺さった。

 操縦席は無事だけど、

 ふたりが伸びてる――「大丈夫、気絶してる」

 砲座からエサ子が這い出てきて、ふたりの安否を確認した。

 ボクは残念ながら、またも退場を余儀なくされ。


 あ。

 衝撃によって、角で頭打った。

 ハナ姉はボクをクッションに致命傷から逃れたようで、元気そのもの。

 聖櫃の連中と、口喧嘩の真っ最中。


 誰か、ボクにヒールを...プリーズ!!

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