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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1826/2369

- C 699話 悪役令嬢の進撃 29 -

 東洋艦隊を指揮するは、

 聖櫃から分派した元帥府の白服組。

 いわゆる戦争がしたくて機会を伺ってた、狂信者。


 高い技術と、広い知識。

 圧倒的な武力を併せ持つ――想像しなくてもいい。ただ、手元に圧倒的な暴力があれば『心が痛むことは無い』と信じる者たちによって振るわれるソレは、悪意のみである。

 白服組にとっての目的は、武器があったから使ってみたかった。


 淡白すぎるけど。

 純粋すぎる。

 持ってた玩具を壊してみた――にちかい感情。

 これ、ヤバいよね。



 艦隊の揚陸させる兵力は、10万人。

 帰還させてた陸軍からの目を盗んで、回収し再調整した鬼人の兵だ。

 薬物投与に、精神汚染なんでもやって人形になった。

「これで本当に戦えるのか?」

 同じ服の中からも、不安くらいは口から出る。

 木偶では困るのだ。

 ちゃんと技術に見合った働きが、戦争が出来なくては困る。

 そうした手合いの不安だ。

「ああ、大丈夫だ。今はスイッチがオフになっているだけ。上陸する前からスイッチを入れるバカも居まい...スタミナを削って燃え尽きたのでは話にならんし、目も当てられん。また、賭けたコストの回収も、な」

 ゲーム感覚。

 やっぱりこの人たちは、怖いね。

「先陣を切った連中は、我々を通すための捨て石に過ぎない!!」


「怖いな」

 1万人足らずで、上陸させた。

 率いる将帥も催眠による効果で、ひたすらに前を向くよう設定された。

「南カリマンタン島は難攻不落の要塞島。噂と、実が伴ったのは最近のことだ。北の不毛地帯で、散々、魔獣と迷宮でコケにされた身だ。鬼人のみなさんも同胞の仇のひとつは取りたいだろ? 取らせてやろうって...優しさだ」


「ふふ、優しいものかよ。このイカレ戦バカが」


「――っ、お互い様だろ」

 吸いかけの煙草を指で弾く。

 トーチカの見える揚陸地点が目の前に。

 もう、派手な戦闘が始まってた。



 コウテイ・マンタ級の機首に備えられた、カメラにも島の戦闘を捉えることが出来ている。

 ズーム最大まで寄せて、カラー映像。

「ご覧になりますか?」

 オーダーは出てない。

 記録士からの問いかけで。

「いや、ウナさまやハナ殿に直接影響がないというのならば、私が見る必要はない!!」

 ブリッジの艦長席にあるウサギちゃんが尻の位置を替えた。

 長く座り続けると、どうも尻尾もだけど。

 尻が痛くなる。

 クッションは置いてあるけど、やっぱりダメっぽい。

「ドーナッツ型もダメだな」

 クッションの話のよう。

「...となると、もうクロワッサン型しか」

 試さなくても適さないことくらいは分かる。

 これまで多くのクッションと時間を共にした――最早、彼らも戦友と呼べる。

「いいクッションとは、何かなあ」

 目の端に涙をためての深い問。

 長時間座り続けて、尻尾のふわふわ感もなくなった。

 職業病だと諦めてたが...

「艦長の尻尾はクルーの癒しなんです!!!」

 説得されて、ブラッシングしてもらうようには、なったけど。

「マル殿からの秘匿通信です!!」

 ちょっとブリッジがざわつく。

「モニターか?!」


「いえ、テキストで...迎えは要らない。支援砲撃を頼む...だ、そうです」


「は?!」

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