表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1824/2355

- C 697話 悪役令嬢の進撃 27 -

「やあ、みなさん...初めまして。通信の痕跡を残してくれて()()()()()

 無機質な挨拶状もあったもの。

 静かに怒ってる感じで。

 この場に巨乳姫が居なくて良かった――あの人が居るとウサギちゃんの精神が破壊される。

「どなた?」

 ヴィヴィアンのは素直に。

 率直に尋ねてみた。

 相手がどう応えるかなんて気にしてないし、別にどうでもいい。

 ただ、割り込まれたモニターの向こう側で、閉口している魔術師の表情が気になる。

 そんなとこ。

 彼は彼で、知った顔と認識――天領海軍まかいの将校たちのリストがある。

 幸いというか...

 総長が天領に潜伏してた折に、彼が勝手にまとめたものだが。

「うーん、シーラビット族の()()()だ」

 ウサギ顔のウサギがしゃべる世界線。

 ()()()()にも、海猿シーモンキー族はいるし、海猫シーキャット族や海犬シードック族もあるんだから、魔界生まれの魔界育ちのウサギが居てもなんら、不思議ではなく。あるいは、親戚も...あるかもしれない。

「まんまじゃん、ウケ~るぅ~♪」

 ゲラゲラ嗤ってる。

 ギャルっぽいヴィヴィアンよりも、2画面に分かれてる“魔術師”とウサギちゃんが対峙した。

 彼女がフェイドアウトしたのも確認して、だが。



「今は、回線のひとつが見つかった...ソレだけだよな?」

 これは駆け引き。

 割り込まれた回線の終着点がズラせるなら、魔術師側の勝利。

 割り込んだ側が範囲を絞り込んだら、ウサギちゃんたちの勝利ってとこ。

「さあ」

 はぐらかす。

 今のところ分かる範囲でなら、東太平洋のどこか――めちゃくそ、広いじゃないですかー!!

 咳払いを互いでし合う。

 仕切り直したいのは、どちらも同じなのだ。

 画角の問題か、あるいはわざと()()しているのか。


 互いの通信士が手のひらを挙げる。

 魔術師側が『5分』伸ばせ。

 ウサギ側は『4分』稼げ。

「――遠路はるばる、ご苦労さん」

 堰をきったのは魔術師側。

 中継機が方々に飛び立った。

 これらがそれぞれの守護門番ゲートキーパーとなって、回線の終着点の妨害をしてくれる。

 この時点でも、ウサギちゃんの方では“東太平洋”の西よりって、とこまで割り出してた。


 カイザー・ヴィルトの機外では大忙しだ。

 中継機が足りないよ!!!

 みたいな叫びがおきてて、飛ばした傍から爆発するのも出た。

 ああ、これ近づいてるサインじゃ。

「おやおや、この季節は暑いかな? 貴殿の額に大きな滴が見えるようだが」

 ウサギの耳が揺れる。

 ちょっと分かり易い。

 獣だからポーカーフェイスは得意だ。

 が、

 表情に出にくいだけで、行動には出やすい。

 身体をくねくね揺らしてた。

《ったく、時間稼ぎもままならんとは...》

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ