表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1823/2359

- C 696話 悪役令嬢の進撃 26 -

 砲座にはエサ子。

 操縦席にアロガンスとウナちゃん。

 荷台のスペースにボクと、ハナ姉にコロネさんが着座――ハナ姉は、未だボクの膝枕に甘えてて。

 タオルで顔を隠しているけど。

 ボクの僅かな母性がなんとなく擽られるというか。


 ああ。

 ボクにもこういう感覚があったんだ。

 誰かの頭を膝に置く。

 これを見て、可愛いとか愛おしいとか。

 心があったかくなる。



 ゴーレムに灯を入れる。

「上からの報告ですぜ」

 唐突だけど、待ってたことでもある。

 今、この時点では中継点であるゴーレム装甲車が唯一の拠点で。

 超高高度にあるボクらの“本拠地ベース”は、ずっとボクらをモニタリングしてた。

 恐らくは相当、歯痒い思いをしていたことだろう。

「内容は?」

 ハナ姉もこっそり耳は、立ててただろう。

 要約すると、両島の海峡付近に“聖櫃”の痕跡があったという。

 秘密回線の通信か、或いはデコイか。

「偽報だとしても」


「確かめない理由には成らない」

 膝枕のハナ姉と砲座のエサ子がハモってた。

 こういう時は頼もしいふたり。

 ボクがポンコツゆえだろうから。

「マルが危ないことしなくていいんだからね~」

 義姉が下腹を嗅ぎに来る~

 前言撤回!!

 この変態を誰か止めてー



 シュリーフェンの飛行甲板でひと悶着。

 観測で上げてた水上器ウイッチたちが騒ぎ出したからだ。

 水上器たちの飛行は各艦艇の独断ではあるんだけど。


 それゆえに異変に気が付けたと言ってもいい。

 海峡にあるヴィヴィアンたちにも、()()の姿は捕らえてるし不思議にも思ってた。

「追われてるとは聞いてたけど、まさか?!」

 魔術師の言葉せつめいは少し足りない。

 魔界から追われてる。

 少し猶予があるから追い付かれることは無い――そんな話は何年前のだ?!

「なんなんよ?! あの大きさ」

 セイル上部に上がってる水夫から、撮影させた映像を発令所で見る。

 首が痛くなるほどの高度――誰が上がれるの()()

 息を呑むほどの圧力――翼を広げたそれ、何センチ?! てか、その上の空が黒いんだけど。

 笑いしか出ない。

「魔術師に繋いで!!!」

 秘匿通信なんて頻繁に繋げば、秘匿できるほどの強度も制度も低くなる。

 分かってるけど、これは伝える必要がある。





 ヴィネツィア連邦と、スカイトバーク王国の両国から特殊砲弾を誘導してた、潜水艦の消息が途絶えたって話が出たことがある。聞いたとか伝言ゲームの話ではなく、彼女が公爵令嬢として両国高官から直接貰った情報の一つだった。

 あの時は、中欧艦隊の連中に見つかったのだろうとばかり、思ったものだけど。

 でも、なんとなく納得。

「ああ、あれが」

 暫くして、魔術師の不服そうな顔を拝むことになる。

 その瞳は寝不足か、或いは不機嫌そのものか。

 いずれにせよ三白眼で...

「強度を弱くしてくれて、ありがとうな」

 ああ、そっちか。

 秘匿通信にキャッチフォンばりに割り込まれて。

 シーラビット族が軍人、天領海軍中将代行ウサギちゃんが三者面談に漕ぎつけた、とこ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ