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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1813/2359

- C 686話 悪役令嬢の進撃 16 -

 第二波も6発飛んできた。

 攻撃はわりと正確で、集弾性もどんどん高くなってきている。

「哨戒器からは?」

 操艦ブリッジから問うているから、情報の伝達が襲い。

 これが航空艦橋でなら、即時。

 ブリッジ内で“ニヤニヤ”してるスタッフが、情報将校を取り巻く。

「地下室にようこそ、御付きの方」

 これは皮肉。



 航空艦橋でも必ずしも正確な情報が入ってくるとは限らない。

 平甲板の上に突き出した司令塔だから、無線電信の中継塔としての役割は十二分だけども。

 飛び立った魔法少女と、魔法少年たちに背負われた無線機ランドセルの交信半径では、現時点でちょっと頼りない。もう少し行動および、哨戒半径を稼ぐとするのであれば、中継リレーする水上器ウイッチの数が必要になる。


 けども。

 それ、実は現実的じゃない。


 飛行甲板に降りてくる子供たちの身体には霜が降りてた。

 甲板の脇から毛布を抱えた整備員たちがどっと、押し寄せる――「大事ないか?! どこか、お腹とか腰は冷え込んでないよな???」って父性が先に立って、少年・少女のケアに心血を注ぐ。

 じゃ、飛行隊長の号令で、だ。

『もう一度、中継リレーの為に上がってくれ!!!』なんて頼みにくい。

 隊長だから頼んだっていいけども。

 整備員たちが鬼と化す。


「魔法少女は何人残ってるか!!?」

 司令塔にある提督は、たるんだ目元を指で伸ばしてた。

 やや酒気を感じる。

「こんな昼間から」


「提督が寒いと申されたのだ!!」

 甘やかすなよって声も上がる。

 そんな些末な言葉に反応することはないけども。

 御付きの上級将校たちのピリついた眼差しは、声がした方へ睨みを利かせてた。

「練度が低い予備科生で56人、12人を1個中隊とする攻撃隊が5ですからねえ、強襲隊も上げての哨戒任務ですんで...116人と教官14人で120ですかね。あ...言っておきますが」

 飛行隊長がパイプ椅子を横にずらして、

 上級将校へひと睨み。

 やや脅しにも似た凄味のある表情を浮かべて、

「これらの子を全部、空に上げると...このシュリーフェン。戦力の無いただの箱になるんですけどね、それでもいいのなら...自分は構いませんが」

 肩を竦めてた。


「それは脅しか?」

 眉を搔く。

水上器母艦ウイッチキャリアーってのは、水上器、つまりは魔法少女と魔法少年らがあって、はじめて機能する航空打撃群を指すもんですよ。ま、艦の側面には駆逐艦に採用された、139ミリの単装砲がハリネズミよろしく突き出しちゃあいますがね。これで何を攻撃するって言うんです」

 操艦の事は、操艦ブリッジに聞くしかないけど。

 シュリーフェンは、重装甲化を施した結果。

 船体の重量が増してしまっている。

 その巨体は、ちょっとした戦艦クラスだ。


 格納庫には怪鳥ゴーレムが2体ある。

 弾薬庫の装甲化も、戦艦の主砲塔防郭並みに厚い隔壁に守られている。

 艦尾側面に設置されたエレベーターにも、100ミリを超える防盾が施されてて...

 速力27.6ノットで走る。

「では、そのゴーレムを!!」

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