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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1810/2354

- C 683話 悪役令嬢の進撃 13 -

 唐突に、いや。

 頃合いを見計らってた全裸のおじさんが声をあげた。

『そんなことなら、点検用のシャフトを遣えばいいじゃろ』と。

 不思議な踊りのような動きは相変わらず。

 生命維持装置も、いよいよか?


 いや、そんなことより。

 今まで施設の破壊を試みてたが。

 そんな機能があるとは...。

 しかし、考えてみれば施設内部の構造は、外観に比べて異常なまでに複雑だった。

 施設元管理者である、コロネさんらに視線が。

「そんな機能があるなんて。そもそも、()がこんな状態で、しかも...施設がこういうのだって初耳だったんです。えっと、えっと...」

 うん、分かってる。

 術式のオーダーは別のチームだろうし、施設の貸与はカリマンタン島の主人だろう。

 資料にちょいちょい顔を出す、サバ公爵。

 しかし、その公爵だって旧時代の遺跡については素人な気がする。


 じゃ、誰が。

『そんな事よりも、ここの機能...つまりは儂の生命維持装置が止まれば、換気扇も止まるんじゃが?』

 ちょっと大事なことを、

 サンドイッチの具材みたいに簡単に暴露する、おじさん。

「止まるの?!」

 ウナちゃんが驚き、斧を投げたエサ子が自慢げに。

「知ってた」

 なんて告げる。

 ほんとかよ。

 疑ってるのはボクだけじゃない。

 知ってたとすると、こいつは自殺願望者のようなもの。

 心中は御免である。

「じゃ、シャフトの事は?」


「知る訳ないじゃんよ! でも、機械を止めたら換気扇が止まるのは...キッチンに立った時に知った」

 そっちか。

 それは、エサちゃんが壊したんでしょ。

 修理代の弁済が未だなんだけど?

「...ったく」

 呆れてるハナ姉。

 A子さんもグーぱんで、エサ子を殴ってた。

 喧嘩には成らないけど...

 このふたりのはじゃれるケモノ?



「じゃ、点検用シャフトで脱出するとして。なにかひとつ気をつける事は?!」

 換気シャフトにも繋がってるだろうし。

 途中で、プロペラのある部屋には出たくない。

『ふむ...詳しいことは分からんが、儂のマッピング機能では旧市街地...数百年前の古代都市のだが、そこに通じているとみえる。遺跡の真上に作らなかった理由は、大方、直接この部屋への侵入を防ぐ目的だからだろう』

 旧市街のと、言えば。

 恐らくはダンジョンの方だろう。

 冒険者を鍛えるために海エルフ族の祖が、当代きっての魔法技術で拵えたという。

 地下迷宮“スウォンジー”。


 かつて海エルフ族がこの地に訪れる前。

 アヴァロンとも、ブリトンとも呼ばれた“林檎の島”から持ち込んだ技術。

 それらを駆使して注ぎ込んだ大迷宮。

 そんなのを...

 “スウォンジー”と呼んだとされる。

 カリマンタン島の天変地異後の御伽噺だ。

 この島にアーサーという騎士王もいたとか、いないとか。

「話、逸れすぎ!!!」

 怒られた。


「で、その迷宮に行って、どうする?」

 潜るって提案も出た。

 いあ、潜ってどうする。

「外に出る!」

 そういう事だけど。

 シリンダーの中の人に皆の視線が集まった。

 助けるべきか、見捨てるべきか。

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