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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1808/2356

- C 681話 悪役令嬢の進撃 11 -

 飛行中の“コウテイ・マンタ”級から受信した情報に、ウナちゃんが唸った。

「ごめん、オナラした」

 我慢できずに、こっそり音の無い方を。

 待って、待って...

 ここ密室だよ。

「「「ぎゃあああ」」」

 みんなの悲鳴が...

 苦悶の中、救世主現る。

『ワシの権能で』

 換気扇が回りだし、遺跡の外へ室内の空気が放出。

 と、同時に新鮮な空気が入ってきた。

 おお。

 シリンダーの中の人、あんたは神だよ。

『少し前から、権能が削られてるけど...ワシは神だと言ったろう?』

 ああ、それ。

 ボクらが施設壊したり、ウイルスぶち込んだりした結果だね。

 徐々に、機能が失われてるんだ。


 なんか、ごめん。

『その御蔭か、今、魔物が発生しておらんな』

 ほう。



 “コウテイ・マンタ”からの情報はこうだ。

 西カリマンタン島沖にあった艦隊が動き出したこと。

 北カリマンタン島の霧が晴れたことだ。


 上空から見ると、島の周囲は霧がかかっているように見える。

 恐らくは...

『“迷いの森”という迷宮魔法による作用だろう。迷路という特質から、飛び越されては何の意味もない。故に、目隠しをして“虎穴に入らずんば...”を強要しておるわけだ』

 自称神さまが饒舌になった。

 ふとすると、シリンダーの中の人が急に早口になったり、言語じゃなかったり。

 動きが奇妙になって...

 硬直した。


 あれ?

 まさか、死んだ???

『っ、死ぬかと思った』

 生き返った。

 理屈は分からないけど、生命維持装置にも多少のダメージがあるらしい。

 遺跡の中枢だし、人体を核として術式が構成されているという。

 おお、ヤバイしろもんだな。


 で、ウナちゃんが唸ったのは。

 スカしっぺの誤魔化しではなく、キリが晴れた事の方。

「なんか、ごめんなさい」

 あ、いや過剰に反応したボクらも、ごめん。

 ウナちゃんも乙女だった。

 アロガンスがこの場に居たら、たぶん真っ先に嗅ぎに来てただろう。

 と、思うと。


 う~ん...彼女も被害者に。

『変態じゃないか!!』

 神さまのまっとうな反応。

 シリンダーをバシバシ叩く義姉。

『こらこら、割れる、割れる!!』


「んな、細かいこと気にすんな! 禿げるぞ、おっさん」

 いや。

 もうツルツルだけど。

 ハナ姉は容赦ないなあ。

 仮に世界に本当の神さまがあっても、そのスタンスは消えないんだろうねえ。

 イケメン過ぎる。

「で、このシリンダーのちっこいゾウさん持ちな、おっさんは何?」

 あ、そこまで...いう?!

 神さまが“しゅん”としてる。

 ゾウさんも心なしか、元気がない。


 言葉で人は死ぬんだからね。

「ああ、悪い。ちょっとストレートだった...私の手には収まる程度の、だな」

 それもダメー!!!

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