表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1805/2355

- C 678話 悪役令嬢の進撃 8 -

 領都から脱したヴィヴィアンこと、サバ公爵令嬢はドレスをわりとあっさり脱ぎ捨てた。

 女性ならすべてとは言い難いけども。

 少なくとも平均よりも多くの女性は、ブルジョアな生活と服装に多大な夢を抱いている。

 そして、ヴィヴィアンこと“サバ公爵令嬢”もまた、上流階級にどっぷりと嵌ってた。

「んにゃ」

 甲冑の首回りに人差し指を流し込んで、

 中に着込んだリングメイルと、ブラウスの調整をしてた。

 窮屈に感じると、どうもずっと窮屈感が払しょくできない時がある。

「そんな、もんですか?」

 軍艦ふねは、館の地下にずっとあったわけじゃない。

 工事だって、ついこの間終わったとこで。

 方々の海を迷子にならない程度に、放浪してたとこ。


 彼女の呼び出しが無ければ、

 次の航海はインド洋方面へ足を延ばす予定だった。

「そんなもんだよ、だって...基本、いい子を演じるんだよ」

 セイル内の水夫たちから『ああ』って言葉が漏れた。

 普通の上司ならば、言わせない雰囲気がつくられるけど。

 彼女な場合...

「そんなお嬢ですから」


「おっと、艦長さん鋭いねえ!!」

 “湖の乙女”号も含めると、誰かの持ちもんって軍艦ふねが多いけど。

 ちゃんと、操艦できるプロフェッショナルなチームが存在する。

 カイザー・ヴィルト型飛行ゴーレムだと、最前線基地ホームベースで提督は“総長”と“魔術師ガント”ってことになるし。

 怪鳥ゴーレムと呼ばれ、愛される“雷鳥サンダーバード”型強襲水上艇は、各聖騎士たちに一任。

 初期メンバーも4、5人程度だから...


 うん。

 怪鳥ゴーレムは、使いたい者がスタッフを募って使用するようなとこ、か。



 セイルにあるのは、床から突き出した手摺みたいな縁。

 椅子の代用なんだけど。

 尻を下ろしてじっとするような船でもない。


 例えば。

 より大型で、癖の強い軍艦に見つかったら。

 間違いなく臨検対象になる()()だし。

 追われる事もあるだろう。

 そうしたら、

 潜る。


 潜水艦でもあるんだから潜らん選択肢も無い。

 で、そんなとき。

 世紀のロック歌手よろしく、進行方向とは逆へ倒れるような立ち姿になる。

 その後も、セイル内で安心して尻をつく暇も無いので。

 縁に尻を置く程度で十分ってなる。

「ちゃ~す!」

 軽いノリで、

 モニターに映し出された“魔術師”にあいさつした。

 映し出された男に精彩さはない。

 いや、液晶パネルの掃除忘れかも知れないけど。

 うん。

 元気ないように見えた。

「なんか精の...ウナギとか、蛇とか、食べてる?」


「いや」

 そう。

 短く返す。

 不機嫌そうなので、

「それ欲求不満? 適当なトコで」


「それも違うが、お前はドコで何してた!!!」

 ああ、そっち。

 少し嚙み合わないのは、いつものこと。

 ヴィヴィアンが気を回し過ぎなのだけども。

 今回は、その回し過ぎが空回りしてる。



 ウイルスが起動した様子はなかった。

 要するに、持ってた斧を投げてフリーズしてるボクらを見た、A班のみなさんが。

 ヒールや、キュアを施して治療してたと。 


 いや、先ずは......心音とか聞いてください。

「そんな余裕あったと思います?」

 あ、いえ。

 なんかごめんなさい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ