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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1788/2361

- C 661話 遺跡をぶち壊せ!! 21 -

 ハナ姉自身がセットしたアラームで起床。

 白目、泡を吹いてるボクを見つけ――「マルに一体何が?!」って叫ぶ義姉があった。

 助けに入ってたウナちゃんと、エサ子も失神してるんだけど。

 コロネさんらは遠巻きで惨状を目撃してた。


 あれに割って入る勇気は無かった、ね。

 いいんだよ。

 まあ、それで。



 パン工房の奥。

 クッコ・ドゥと対峙する、謀神は寛いでた。

 お昼と、夕飯も総菜パンで採ったんだけど――腹にたまるのは憑依されているモブ子で。お総菜パンに舌包みを打った、謀神は満足した笑みを浮かべてた。これはあれかな、高度なWin-Winという関係性なのだろうか、ね。

「口元にソースが付いてる」

 ドゥからの指摘。

 ずっと見せられてて、腹も空かせてるとこだけど。

 手枷の状態で口の端に指、2本を差し向けてた。

「これはこれは」

 C班の班長へ顎で指図して。

「このタルタルソースを拭いてくださるかしら?」

 ナプキンで拭った。

 どこから、立場が怪しくなったか覚えていない。

 いや、睨まれただけでシジが金縛りにあったところからだ。

 意見することはいい。


 謀神だって心の狭い人ではない。

 ただ、非常に我がままであるという事だけ。

 質問に対して...

 答えるか、否か。

 或いは、無情にも黙らせるかの気まぐれさがある。


 シジはその尾を踏んだ。

「――ありがとう」

 さて向き直った謀神と再び、ドゥは対峙する。

「今、気持ち悪い思念でも飛ばして寄こした?!」

 ドゥは左肩を竦め、

「はて?」

 明らかに知らぬふりを突き通した。

 彼女も掌を広げて見せて、

「そう。D班の好みの子に跳ね返してしまったのだけど、問題ないというのなら...うん、助ける必要も無いわね?」

 謀神が閉口したと同時に、D班の副班長が悶えだす。

 辛うじて状態異常緩和の護符で致命傷は免れたけども、明らかに殺されかけたような悪意がぶつけられた感じがした。班長クラスが持つことが義務付けられる、魔法全盛時代の遺物群――腕輪とか、首輪、指輪にピアス、鼻輪と、臍ビアスに局所パールとか。兎に角、集められた特級の遺物で身を固めることが義務化されてた。

 特務機関の()()の一つである。

「あんた本当に無茶苦茶するなあ」

 ドゥでも引く。

 仮に力があれば、多分、似た事をしたかもしれない。

「そう? どちらかというとお互い様な気がするけど」



 気を取り直して。

「ボクは君をどこかで聞いた事がある、魔法使いという認識だけど...」

 嫌味か、新手の挑発か何か。

 ドゥの瞳に殺意が湧く。

「君の方は、おそらくボクを知ってるんだろうねえ?」

 オーラの色は、だ。

 実物を目撃しない事には、流石に誰かなんて分かる筈もない。

 何代か後の子孫がたまたま300年も前の道化師どもと...似た色見のオーラに見えることもなくはない。そうであることを願うばかりではあるのだけど。

「さて、どうかな」


「君は、どこで聖櫃と出会ったというんだい?」

 室温が急に低くなった気がした。

 ドゥが吐く息が白い。

 騒がれると面倒なので、大半の班員たちは金縛りに遭遇してた。

 が、その彼らの絞り出す息が白く見えた。

「おいおい...」

 一命を取りとめた、D班の副班長の手がかじかみ始めた。

《なんなんだよ!!?》

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