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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1786/2359

- C 659話 遺跡をぶち壊せ!! 19 -

 グラスノザルツ連邦共和国が所属。

 独立諜報組織、特務機関サーヴィターが“301”魔導旅団まで名乗られたカイゼル髭の旅団長と、元409魔導大隊の大隊長コロネさんが対峙する...直ぐその隣に、スク水にお腹上からの半身だけセーラー姿なエサ子も鎮座、不思議な三角関係が存在してた。

 特務機関同士でも、コロネさんには面識がなく。

 カイゼル髭の理屈で行けば、409大隊は確かに存在したけど“化け物”じゃなかったという。

 至極ごもっともな、ご意見が寄せられて。

 つまり物凄く疑われているんだけど。


 誤解の無きように、懇切丁寧に説明中だ。

 何せ、一歩間違うと。

 極めて怪しく得体の知れない一群が、都市の中を窺ってたわけで。

 遺跡が見せる幻術まやかしでなくても、十分に気味の悪い話だという。

「そんで、ボクたちの命もかかってる」

 ボクの脇に立つ、燃えかけた...いや、もう殆ど燃えてた班長A子さんと。

 怖い顔をしているハナ姉の制止に苦労する。

 両手の人差し指を挙げて、

「まあ、エサちゃんのお手並み拝見ということで」


「ぐるるるr...」

 猛獣使いになった覚えは無いんだけどなあ。



 陽が昇るまでは未だ、少し時間がある。

 3度目の襲撃を企画してた、旅団は前回の襲撃始点と同じ家屋に潜伏してた。

 襲撃始点を替えないのには理由があって。

「受け身? ですか」

 エサちゃんのセーラーに光る襟章に感謝。

 海軍の“少佐”である身分が識別できたのだ。

 いや、もっとも照会先である“オウル”級潜水艦艦長に、感謝せねばならない。

 飛び出したまま帰ってこなかった、放蕩娘の見受けを代償なしに引き受けたからだ。

「攻撃に対しての防衛は、ドがつくほどの鉄壁さがある。が、あくまでも攻撃されたから自衛している、そんな雰囲気があって。攻め手に対しての追撃は無い...ただし、これは夜のうちの襲撃に限ってだ。昼間は...わからぬ」

 改めてエサ子の口から「彼らは味方だよ」と告げられて。

 カイゼル髭の目に涙が見えた。

 これはサバ公爵軍の1000人らも同じだ。

「ときに」

 内密にという申し出。

 エサ子とボク、旅団長だけでひとつ奥の部屋へ移動した。

 ハナ姉は、ウナちゃんと部屋の入口で壁になった。

「409の事なのだが?」

 種族進化に驚きがある。

 特務機関サーヴィターでも、文献を頼りに様々な実験が行われて。

 およそ非道も通り越した数を熟してた。

 結果、生まれたのが――200番と300番シリーズと呼ばれる、人工ライカンスロープの部隊である。

 魔術的に肉体の強化を施し。

 そこに錬金術で合成された人狼血清を投与。

 しかも、肉体が死んでも魂魄は機関の幽室で、肉体を得て再び蘇るというのだ。

 ちょっと聞きかじると、それ拷問じゃない?

 死しても解放されないなんて。

「進化は定められた条件によって、無数の可能性が...」


「いや、そういう事ではなく。409のようなゾンビが不死王へ辿り着ける。その技術きせきは、その1度きりのものだろうか? 再現は、できない...とか」

 カイゼル髭は、遺跡の破壊よりも優先すべき情報を得たようだ。

 ボクのミスはだ。

 彼らにコロネさんたちを引き合わせたことなのだろう。

「目的が」

 エサちゃん、ナイスフォロー。

 彼女が旅団長に平手みたいな“喝”入れをした。

「ああ。いや、すまない...我々も」

 咳払い。

 喉の調子を見直して――

「遺跡の破壊に2度挑み、2度も失敗して戦力は半減。正直、3度目は自殺もいい状態だった...我らは死しても蘇る。経験済みとはいえ、実のところは死にたくはない」

 震える腕を見せた。

 それを片方の腕で抑えてるんだけど。

「壊せる目途は?」


「いや、遺跡内部にある術式の()だけだ。ただし、何重ものセキュリティを突破する必要があり容易ではない。工房の連中が優秀であると仮定した場合は、彼らが作ったウイルスも効かぬかもしれない」

 そこでエサちゃんは、ボクの手を引き旅団長へ引き合わせた。

 これが目的で連れてこられたのかな?

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