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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1785/2358

- C 658話 遺跡をぶち壊せ!! 18 -

 渋るコロネさんたち。

 浜辺からボクたちの船に攻撃してた班長が口を開く。

「ゾンビを餌とする化け物が居たからだ」

 ま、浜辺で()()()()と戦ってたから分かる。

 その魔獣を食料にしたエサちゃん曰く。

 フライドチキンみたいだった、と。

 えっと...

 そいつらの食事は、ゾンビなんですけどね?

「それも理由の一つですが、もっと大きなことは...精神攻撃から逃れたかった、です」

 身に着けてた護符で精神破壊は免れたが。

 同時に身を焼く諸刃の剣となる。


 班長の反応はちょっと違うみたいだけど。

 リーダーたちと()()()()のとはずいぶん、差があるような。

 ずっと、あの場から逃れてきた理由が...

 “食われない為”だと思い込んでたようだ。

 いや、真実に班長は、そうだったのだろう。

 意思の疎通はしてて、おねが~い。

「も、もしやその護符、神聖系のですか」

 一旦、身に着けてた護符の話に引き戻す。

 ウナちゃんが恐る恐る、スカスカになった“守護の守り”を掌の上に載せてた。

 コロネさんからは『もう、効力は無いですよ』とのことだけど。

 魔界の人々にとっての(人間界サイドの)教会の護符は“観光地にある木刀”レベルで、必要ないのに買っちゃうような類のものである。

 ま、要するに...興味がある。

「ええ。魔法使いが神聖系のソレを使うなんて...笑い物ですよね」

 ボクは、嗤わない。

 いいんじゃないかな、どんな護符でも。

 かつての教会の連中だって、魔法くらいは使ってたし。

 祝祷で火炎球とか。

 祝祷で氷柱を落としたりとか。

 祝祷で巨石を降り注がせたりとか――「その魔法しゅくとうはエグイな?!」ハナ姉が絡んできた。



 ふんす――スカスカでご利益の欠片もなくなった、護符からウナちゃんの興味も無くなった。

「大事そうに返すとこは、ちょっとした常識人だよね」

 バカにしたわけじゃないけど。

 わたしにはゴミだ!とか言わないのは、マジでエライ。

 返却された護符が班長に渡る。

 で、彼女が白い炎にまかれて燃えかかった――ちょっとしたボヤ騒ぎだ。

「ぐああああ!! なんでこっちが燃えるんだああああ!!!!!」

 いやあ。

 まだ城壁に()()()()()()るだけなんだが。

 彼女が燃えたこと。

 彼女が叫んだこと。

 物静かだった夜に水を差したこと。

 色々、良くない方向に転がる事は、連続するものだということ。


 護符を手放したら、班長がボロ雑巾みたいになって解放された。

「ありゃりゃ、この子に信心深さが残ってたみたいですね?」

 護符の効果を信じていれば、おそらくの仮説ではあるけど。

 神様の神通力パスが繋がるのではないかと言う説がある――証明はされたか不十分だけども、班長が燃えたのが証左かも。自分で願掛けして邪を払うとは、自家発電もいいところだが。

 その結果、城壁の上で見回りしてた兵に見つかるというお粗末さまで。

「ねえ、あんたさ。わざとじゃないよね?」

 静かに憤るコロネさんと、

 小銃で脅され、連行を余儀なくされた班長さん。

 彼女、A班のA子って名前の海狼シーウルフ族のケモミミっ子だった。

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