- C 654話 遺跡をぶち壊せ!! 14 -
『さて、ボクが君にコンタクトを取ったのは他でもない!』
とうとう本題に入るのかと。
方や謀神サイドのクランメンバーが胸を躍らせつつ。
また一方では、ラストオーダーに振り回されたC班の評価回復の為――マキに憑依した憑き物には、混乱している今、この事態の解決を手伝わせなければならない。
そうした思惑が交錯してた。
こんな切迫した状況下では、もう謀神しか頼る者が無いんだが。
『ドゥさんのカビの生えた術式を嗤ってやろうかと』
唐突に、狐狸族のモブっ子が変な挙動で突っ伏した。
スカイトバークの工房では、副総長が総長の側頭部からスリッパで叩いてたとこ。
すぱーんっていい音が響いてたし。
ファン全員から「あほか~い!!!」ってハモってた。
総長は防衛反応もなく机上に突っ伏す――そんな挙動が、憑依している素体にもリンクしたようで。
「お前は一体何がしたいんだ」
と、上履きの先でモブを突いてた。
『うむ、マキさんのラッキーカラーは水玉の薄いピンク色ですか! ボクも柄は違いますが、縞の薄いピンク色を今週のカラーに押されています。占術は得意では無いんですけど、ファンの子からのプレゼントですので...ふふ、お揃いと言うのは』
踏まれた。
モブの顔に上履きがめり込んでた。
ドゥ自身も赤くなってるし、マキの身体が自己防衛で動いたと見える。
『あははは...い、痛い』
謀神が見たのは――まあ、いい。
「マジで、何しに来たんだよ!! こんなセキュリティの高いとこに!!!!」
確かに。
次も必ず潜入できるとは限らないし。
ネズミは徹底的に駆除されるだろう。
仮に、間諜の類を送り込んでたとしたら、そのスパイの生死は保証されないし。
また他のツテで潜り込んだとしても、次はカウンターを貰う可能性がある。
この世界に...
「――絶対はない!! だったよな、学生ども?!」
ドゥが唾を飛ばして吠えてた。
「勿論です!」
モブはマキの脚をとってひっくり返した。
スカートは抑える手を枷で縛り付けられてるので、無防備にはだけて...
ふくらはぎから膝の裏、内ふとももに頬ずりしつつ。
『ぴちぴちの若い子の脚は最高!!』
おっさんかと、双方で罵られた。
『...ま、次回の侵入の為に枝をつける事はする。キミらには見つからない様にするのが、一流の魔女としての腕の見せ所でもあるんだが。今は、そんな話よりも、だ...クッコ・ドゥ氏がオーダーに応えた術式についてだ。端的に言えば、ハッキングした時に管理者権限をスカイトバークへ移譲したのが問題だと思っていたのだが』
太ももから剥がされる狐狸族の少年。
彼女を助けて起こしつつも、パンツにも気が乱れたD班の副班長がある。
マキの顔で、冷ややかな視線が彼に向けられてた。
ちょっと心がささくれる。
「マジでハッキングしたのかよ?!」
『企業秘密だから、どうやってみせたのかなんてタネは明かさんが、つまり傷跡を残したことによる暴走という事は...あるのか?!』
結果的に暴走したと思っている。
が、ドゥは肩を少し下げた状態から、冷ややかに嗤った。
周りと自分は違うかのような溝みたいなのがある。