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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1779/2358

- C 652話 遺跡をぶち壊せ!! 12 -

「スカイトバークの魔女か?!」

 首から下が動かない。

 特務機関サーヴィターの位置を正確に抜いて、かつ施設内すべてを縫い付ける技量。

 賢人会をしても『神業』と言わせるセンス。

「偽装魔法があって何故、位置バレを???」


「まさかスパイが」

 なんて詮索しても始まらない。

 この()()に敵意はないとみえる。

 魔法使い同士の戦いに次戦はない。

 初撃必殺。


 どこかの剣豪みたいだけど。

 対策される恐れがある術なのだから、初見殺しでなくてはならない。

 不死身の肉体なら...ワンチャン。

「お目こぼしか」

 バアちゃんのひとりが、そんな事を呟いた。

 次の機会があっても、出し抜けるという余裕から来るのだろう。



 一方、ぴんく☆ぱんさー局部では大問題。

 大量の間者を送り付けて、それこそローラー作戦の地道な努力の末に見つけ出した成果が、総長のせいでフイになったのだから目も当てられない。盗聴と盗撮していたことが、恐らくバレていると勝手に解釈したんだけど。

 双方とも、相手を高く評価しただけに終わる。



 さて、パン工房の奥の部屋――

 班員内からひとりが歩み出てきた。

 シジや班長の脇に立つと、

『憑依術は得意とするところでな。ふふ、やっと皆さんと会話ができる機会に恵まれた』

 まあ、こんだけやって悠長なのは。

 工房の()()()も機能していないからだ。

 各局や、派遣されている各隊に攻撃魔法、或いは防御魔法を納品する“工房”は、城内のセキュリティにも携わる。攻撃されているのであれば、その対応に追われている筈なんだけど...。

 残念ながら侵入はあっさり。

 内側からこっそり仕掛けられた。


「て、ことは......俺たちは、福神漬けにもなり得ない木っ端ってことかい?」

 D班の副班長。

 腹をくくった自分の覚悟に詫びを入れてるとこ。

 相手にされていないなら、謀神かのじょの目端でちまちま精神攻撃したところで『やだ、汚れ着いちゃったあ~』なんて会話しかならないか、そもそも無言で払われる程度だという。

 ちょっと気の毒過ぎる。

「ああ、なるほど...なるほど。彼らが学生で、こっちは道化ということか!? どこの誰かは知らんが懐かしくもあるオドを持つ魔女よ、キサマは何者だ!!!!」

 謀神の漏れる魔力には確かに見覚えがある。

 ドゥの生前に相対したことがある、気がする。


 帝国の創成期は、それこそ魔法全盛期だ。

 名だたる魔法使いが各国にあって、センスがあれば宮廷魔法使いなんて職も得られた。

 ま、これは実力とカネとコネがあればという()()()の話。

 招聘されるほどの実力となると、災害級であるか。

 勇者的興行でもして名を売る外なく。


 そのどちらもまた、運。

 

 全盛でも、実力がすべてとは限らなかった。

 さて、ドゥさんあなたは?

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