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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1777/2359

- C 650話 遺跡をぶち壊せ!! 10 -

 さてこの状況――

 少数精鋭には見えないだろう。

 種族進化に到達した者たちには頂点にロード種のコロネさん。

 ジェネラル種に班長を含めた、元リーダーたち7名ほど。

 A班からH班までの7組が健在(実は()()は食われて全滅してしまったので)――約70の兵士が元409の最大戦力だという。ただし、元人間の兵士だからって銃剣格闘むちゃなことができる訳じゃない。

 生前のような戦術が不死者になったからと言って有効とは、限らないって話をしている。

 ヴァンパイアへ種族進化したので、物理攻撃の方はめっぽう弱くなってしまった。

 魔法攻撃による与ダメが10、物理の与ダメが2か3か...で、耐性も“状態異常”への高い振れ幅によって見た目、硬くはなったけども...神聖特攻が刺さり易くなってる弱点が目立ち過ぎるかな。

 戦力としてカウントするならば、後方からの火力支援ってことだろう。


 あとは、進化に成功した新しい眷族には、種族ギフトが与えられる。

 彼らが手にしたのは“魔法適正”というものだった。


 もう少しいいものを与えたかった。

 親戚になったのだから例えば...

 “魔法錬成”とか“耐性強化”なんかもあると便利だしね。


 コロネさんは、優しく微笑みながら。

「いえ、わりと嬉しいギフトでしたよ」

 と、告げてきた。

 “魔法適正”――真祖に近しい能力に加えて、現不死王らロード種の全属性対応にかなり似た性質。魔法の火力が極めて低かった409魔導大隊は、これで一人前に戦えるようになったと、皆が喜んでいるようで。

「それなら」


「じゃ、行きますか?」

 浜辺の砦から夜のうちに移動することとした。



 何日目の夜だろう。

 都市北部の発掘地域――静かに稼働中の遺跡は白く眩く光ってた。

 霊脈に充てられた変電所から延びるケーブル群のそれぞれは、サーチライトに繋がっていて、遺跡とその上空と周囲を照らしている。まるで昼間のように明るいのだけど、人の気配がないのに人影めいたものが薄らぼんやりと見えていた。

 透かし絵の人形劇みたいな雰囲気。

 個人的な見解...そ、それ、パーテーションの壁が薄くなってやいませんか?!

 こわっ。


 サーチライトの光は、はるかに高い位置にあった“コウテイ・マンタ”の影をも浮かび上がらせてた。地表にある魔物たちが騒いでたようだけども、届くものがいるはずもなく。まあ、照らされて迷惑だったのは、その日を決行日と定めてた301の連中だったろう。

 誘導が反れた特殊弾頭は、不発弾として遺跡の魔法装置の脇に落ちてた。

 これは遺跡の防衛機構。

 衝撃と共におよそ1度きりの“()()()()”が発動。

 攻撃の僅か数分前のバックアップデータと、破損した部位を置換し直した。

 この大魔法によって砲弾は、不発弾として記憶された。

 事象の再現がされないのは認知されても、記録されていないからだと推測できる。

「16インチ級の砲弾のようだな?」

 観測所から、転がっていた砲弾を見つけている。

 1日が終わる度にひとつ転がってた。

 どうも最近、目にすることが多くなってきた。


 遺跡のすぐ近くで戦ってた魔物や、ゾンビは蒸発してるようなんだけどね。

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