表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1776/2365

- C 649話 遺跡をぶち壊せ!! 9 -

「それじゃあ、こちらからも一つ伺います」

 ナマズ髭の代将から。

「帝国の特務機関サーヴィターから派遣されたあなた方は、何の所縁ゆかりもない地で死ねますか?」

 ちょっと意地悪な質問。

 口にした代将も分かってるけど、後がない者同士なら連帯感が生まれるかも。

 淡い期待が胸にあった。

「そうだな、正直に言えば全滅する気はない。が、公爵軍を盾にして戦力の温存と言う下策も考えてはいない。...ふふ、人狼が()()()を用いたなどと汚名もいいところだ(苦笑しつつ、口がへの字に曲がる)...魔女らに弄られた身体を人間種きさまらに見せつけてやらんとな!!」

 遺跡が、人の手で壊せるのであれば破壊は公爵軍に任せる。

 ダメもとでの決戦だった。



 種族進化を終えたコロネさんは、不死王ヴァンパイア・ロードへ。

 とはいえ、純粋な...ではなく。

 亜種のロード種になった。


 これはボクの眷属にちかい。

 本物の不死王には高い耐性能力の代わりに、コウモリなどの変身能力が欠落していた。

 変化しなくても、魔法への適性が高いので生前の得意属性に縛られることなく、あらゆる全方位的に魔法が使えるようになっているもの。

 そういう個体は、王・公である“キング種”から実績を積む以外に突然変異することは無い。

 いや、上位種に進化するかも未だ、解明されていなかった。

 ボクの研究をもってしてもだ。

「じゃ、何で私は?」

 コロネさんが繭から顔を出してる。

 進化を終えて羽化した繭から出る気配がない。

「あ、もう出てきても...」

 素っ裸なんで恥ずかしく――おおっと、こりゃ気が付かず。

 バスタオルを彼女の頭に掛けた。

「亜種とはいえ...ロード種に変異するには繋がりが必要です。えっとですねえ、この場合は...ボクの()()()()()()という扱いをでして。スライム因子を植え付けさせてもらいました! いや、プルプルのスライムになる訳ではなく、変化能力を保持したままロード種になった訳で」

 真祖オリジナルと同じ能力もある。

 409の元隊員らはヴァンパイアへ進化した。

 と、同時にロードとなったコロネさんの血脈に入ることになる――この辺りは、先に了承済みで。簀巻きにされてた班長も同様である。若干、渋ってはいたけどもコロネさんの説得によって、ゾンビよりかはマシとの結論に至る。


 で、だ。

「これで状態異常は?」


「だいぶマシにはなってると思うけど」

 エサちゃんが、吸血鬼らを集めて“アシッドレイン”に放り込んでた。

 戦慄する班長、酸の雨の中ではしゃぐ吸血鬼たちとの温度差。

「えっと、みんな大丈夫?!」


「なんか肌にチクチク来ますが、ちょっと心地いいというか」

 おそるおそる手を伸ばして、酸の雨に触れてみた。

 ああ、確かにひりひりする感じである。

「例の音...ですけど」


 ボクは首を横に振る。

 それは都市まちに入らなければわからない。

 ボクだけが正気かもしれないし、ボクも含めて錯乱するんだとしたら...OUTだと思う。

「アロガンスはお留守番だよな?」

 ハナ姉が背に立ち、周囲を見渡す。

 コロネさんたちは都市と遺跡の水先案内であるが、シイタケ頭の船長たちは。

「残るべきだろ? 陸に揚がれば海の死神は役には立たぬ。だが、砂浜の砦と装甲車を護る程度であれば、全身全霊で守り通すと誓ってみせよう!!」

 タコ頭の船長も親指を立ててお見送り。

 分かってた。

「ウナちゃんと、エサちゃんは?」

 本人たちは行く気、満々だから。

 外す理由は無い、か。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ