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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1772/2359

- C 645話 遺跡をぶち壊せ!! 5 -

「う、ウナ逃げないもん!!」

 すんすん、鼻を鳴らしてる。

 病衣みたいなのに着替えてて、

「下がスースーする」

 なんて言わせてた。

「ねえ、副長?」

 ノワールさんの目が据わってて。

 メガネエルフを見上げてた。

「あ?!」

 やや棘のある物言いだけど。

 ちゃんと返事して。

 上から下々を見る。

「ウナちゃんのこの姿、公言すんなよ!!」


「誰が、するか。てか、俺に親しい野郎なんか......、い、いねえよ」

 間が空いた。

 仕方がない。

 脳裏に呑み仲間のアロガンスが浮かんだ。

 が、アレに話したところで胸の中に仕舞ってくれるだろう。

 そう、思ってしまった。

「っち、」

 舌打ち。

「そこだよ、公言すんな! ウナちゃんだって女の子だ。好きな野郎に知られたくねえんだよ。空気読んで即答しろ!!! ハゲがっ!!」

 ノワールさんも染まりましたね。

 怖いんですけど。



 ゴーレム式8輪装甲車の下に、母艦から補給物資が届く。

 この補給は不定期なんだけど。

 前回との間からすると...少し...

「間隔は狭いですけど、艦長から指示でして。なんでも、嗜好品が足りないとの要請があったとか」

 身に覚えのない要請。

 ボクが倉庫ラボの在庫をチェックして、レンジでチンしてるんだが。

 嗜好品?

 首を傾げてた。

「ええ。その使者にウナ陛下が」

 え?! い、いつのまに。

 彼女を船に転送してたのは、ハナ姉だ。

 もう、この人は。

「じゃ、受領書のハンコはここと、ここ...ウナ陛下の受領は、お尻のここに」

 スタンプ押すとこじゃないけど。

 ウナちゃんが病衣なのは。

「う、うぐ...任務失敗」


「ハナ姉の無理を聞いてくれて、ありがとう」

 三十路の小さな女の子をハグしてあげる。

 こんな子に何してくれてんの?

「ハナ姉も、ほら!!」

 装甲車の影に隠れてる、そこの人。

 顔を出し難いのは分かるけど。

「マル、それ私じゃないからな!!」

 黒い影は、ハナ姉だが。

 仕掛け人の方は...

「陛下にしては良くやった方ですよ。任務はまた、ほとぼりが冷めたら」

 アロガンスが彼女の頭を撫でてた。

 お、お前か!!

 いや、だが、何故。

「――マルさんにも要望出しましたよね? 覚えてませんか...酒とグラビア本と、煙草にテ〇ガ。(やや空を見てから、咳払い)酒とアテと煙草です...忘れちゃったかなあ? 母艦にも同じ要求をしたら、なんと言ったと思います?」


 ボクは考えてみた。

 フリじゃなく真剣に――アロガンスは痺れを切らして「担当責任者を通して申請しろですよ!! そりゃ、まあ。個別に要望を聞いてたらキリがないってのは()で分かってる事ですがね。それでも悶々と溜まっていくもんがあるんです、ヌキたいときにヌケない苦しみ」拳を握り、顔を覆って歯ぎしりが聞こえる。

 なんとなく、なんとなくだけど。

 ハナ姉も共感してて。

「分かる、義妹でヌキたいのにイメージが足りない時が、私にもある!!!」


「姐さんもかい!?」

 ふたりがタッグを組んだ。

 厄介なことになったぞ。

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