謹賀新年 あけましておめでとうございます
2019年3月1日から連載を開始して、とうとう2024年を迎えることができました。
3月を迎えると5年になる訳ですね。
感慨深いです。
紡ぐべき物語は未だ多数あって。
マルの大冒険はずっと続くのです。
昨年は、自身初の日別PVで1万7千が出ました。
月別では5万5千強のPVを獲得。
ブクマも順調に増えて、460、総合評価も1210ポイントへ。
23年は作品がひとつ階段を上がったような感じでした。
そうすると。
24年も欲張りでしょうけど、上を目指したくなります。
具体的な目標は、
月ベースの3万PV以上の安定化。
レビューを書いてもらえるような、作品を目指すなどでしょうか。
本年もよろしくお願いします。
さんぜん円ねこ
◆◇
南太平洋へと島が動いてから、数日。
本土の方では“新年”を迎えて、珍しく雪が降ったのだという。
うーん、雪ですか。
こんな常夏では、その雪も部屋の隅に落ちてるだろう“スノードーム”のそれでしか拝むことは無いと思うのですが、あんな玩具で雪とは片腹痛く。
正月だって島でも浮かれはしているようで――島内唯一の神社は大盛況のようだ。
「よ、マル。遊びに来てやったぞ!!」
鬱陶しく床あの上を転がって、仰向けのまま窓に向けた。
うん、ハナ姉が。
え?! ハナ姉!!!!
「そこ、いや、ここ...結構な上階なんだけど?!」
「おう、ここまで登るのはしんどかった。おかげで腕を窓枠の縁に固定しないと今にも落ちそう」
あわわわわ。
ちょ、ちょいと待ってて。
隣の部屋で転がってる十恵ちゃん、呼んでくるって急いで部屋を出た。
「早くしてくれ~」
◇
無事救助できたハナ姉は。
10数階をロッククライムよろしく登ってきたという。
命綱なしでよくやる。
「VRの同じ奴やった時は、これ現実でもイケるんじゃねとか思ったけど。体力も大事だけど、胆力も重要だと分かったわ」
嗤って震える腕を見せてくれる。
十恵ちゃんは「お前は前世でサルか!!」って、しかりつけてる。
まあ、無茶なことを。
「で、さあ。常夏にいるのも何なんだけど、正月ってことで神社、神社行こう!!」
「季節感ないじゃん」
正直だるい。
冬休みだと、行事という儀式上の話で、この数日の休みに付ける適当な名前が無かった。
ただそれだけ。
「おっまえは、なんでそんなに拗ねた考えなんだよ!」
髪を揉みくちゃにされた。
まだ震える腕でだ。
「ほっら、遊びに行くぞ!! エサ子も誘って、ウナ部長はどこに落ちてるかなあ?」
「ウナちゃんは、落とし物コーナーかな?」
ボクらの正月は、8月のような真夏の中で迎えた。
異常気象の続くこの世界で、また新しい時間を紡ぐことに――「だから、難しい顔すんなって! ここは引きこもりニートなハナ姉さまが、VRで稼いだ電子通貨で甘酒を奢ってやろう!!」
「な、なぜに甘酒?! こんなアツイとこで!!」
「う、うむ。タダチケットが大量に手に入ったからだ」
ハナ姉がプレイしてたVRの外れガチャが“甘酒”のタダチケだったらしい。
いや、奢るなら稼ぎの方で。
「いいから、いいから。嗤えって!!」
もう。
「今年もよろしく」