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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1702/2359

- C 576話 反抗作戦 Eパート 6 -

 404のラミア。

 帝国の特務機関サーヴィターにある幾つかの魔導大隊のひとつが、彼ら或いは、彼女らのホームである。

 部隊呼称にはいくつかの嘘があって。

 魔導大隊とは、外向きには大きく見せているけども。

 実態は中隊規模でしかない。

 人数的には100から200人程度。

 兵力的にはもっと小さく、2個小隊分。


 この絡繰りは、戦闘員が極めて少数精鋭だってこと

 いくつかあるエラーズも、同じ台所事情を抱えてた。



「さあて、この招集で集まって貰ったのは――」

 ラミアが冒頭のさわりを騙りだしたところで、銀髪の少女が彼女の横に立つ。

「ここにある者たちも推測はしていると思う。我々は、休暇組であるというコトを!! ひと段落終えた後にそれぞれが激務だったこと、生傷もあった子らもあるだろう。そんな諸君を我が義姉が呼び出した! 何故だ、新たな“()()()”任務が生まれたからに他ならない。他の子じゃ気が置けない任務しごとだともいえる...裏を返せば、我々が、諸君らがひとえに優秀だからである!!!」

 拍手がわきが上がる、自然とだ。

 これが《巫女》とされる銀髪少女のカリスマ性だ。

 ラミアの口がぱくぱくしてたのは滑稽だったが。



 コードネーム《不知火》は、仕立てのいいスーツを“唐草模様”の風呂敷に素早くまとめると、上下ジャージ姿、下駄に牛乳瓶の底のようなメガネ姿で下宿先から飛び出してた。

 貧乏学生のような見事な変身っぷりを披露して、虚弱な男は猫背、ガニ股、乱れた髪の男になった。

「ふむ、確かに見事な化けっぷりに思うが?」


「なんで、ついてくんだよ...」

 メガネの端から、同じジャージ姿の少女を睨む。

 こちらはビーチサンダルを履きつぶしてる感じ。

「まあ、、腐れ縁ですかねえ」

 大番頭もジャージ姿の初老を演じてる。

 いやいや、これはこれでシュールだ。

「ばか、目立つだろ!!」


「さて、この辺りは所得の低い界隈です。仮に我々の3人のようにジャージ姿の貧相...」

 脛を少女に蹴り上げられる。

 大番頭も表情が曇る時があるようで、今のは痛かったっぽい。

「ジャージ姿3人組があっても、怪しまれることは限りなくゼロにちかい」


「ぷはぁ~あ、マジかよ...あんたら?」

 教導団のハンドラーからは、陸諜と秘密警察の方々とは距離を置けとの指令があった。

 アパートに差し込む近所の工場から、明滅灯によるものだけど。

 似た暗号なのだから、ふたりにバレないわけがない。

「じゃれ合うなと言われて尻尾をまくるとは、肝の小さいやつめ!!」


「そればかりの問題じゃないだろ?! 8パーセントのどこが美少女ないっていうのか教えて貰いたいものだが...あんたの正体が他に知られたら、俺みたいなのは早死にするって相場が、だな」

 少女も頷き。

「じゃな」


「少しは否定しろよ」


「どこに否定できる要素があると?」

 大番頭の容赦ない評価。

 彼は今なら泣いてもいいと思う。

「で、どこへ避難するん?」


「あんたらが、()()()()()んならハンドラーも近寄ってこねえよ」

 八方塞がりな雰囲気。

「じゃ、じゃあさ、ボクんトコ来ない!!!」


「どうしてそう前向きなんだよ」

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