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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1613/2520

- C 488話 陽炎の帝国 7 -

 ボクたちの軍艦ふねが、南洋王国・クイーンズランドへ到達した頃。

 眼下の惨状は地獄絵図に見えた。


 これ、幸いなのか。

 モル女王が魔界に攫われた結果で生じた衝撃的事実。

 シーズンが刷新される世界では、女王の居ない王国として南洋王国があった。

 というか、最初から()()()の王国なのだ。


 この国の歴史が改ざんされた。

 うーん...

 ヤバくね、それ。


 血統保存の為に、東洋王国へ打診するも...

「余の血脈を何だと思って居る!!」

 なんていう怒りを買ったようで、断交。

 海のエルフなんて言われてた、人魚族の系譜は途絶えたんだとか。

 直系でなくていいのなら、まだ幾分かは残ってるけど。


 母×母×父×母×父×父×母...

 なんてのは、母系主義の南洋王国が認めない。

 東洋の方は、しっかりと守られてきているし。

 タネ元の父系の方も、東洋古来の“鬼”族の血が入ってるんだとか。

 うーん、これ...

 なんていうブリーダーな話です?



 南洋王国の歴史が改ざんされた結果、魚人国家としてリスタートしている。

 およそ4世紀ほど前の話である。

 わりと長い。


 一応、前記したように。

 母系ではないけども、人魚の女王からの血統は残ってる。

 ただし家を興せるほどの力は無くて、現状は単なる貴族の一つみたいになってた。

 市民レベルでの熱量は普通。

 貴族よりももっと冷めた感じで、自分たちの生活がもっとも大事な感心事になってた。

 ま、そりゃそうだ。

「眼下、ヤバイことになってるな」

 艦長席のひじ掛けに腕を乗せ、うずくまるウサギ艦長。

 超高高空まで達したから、もう地上の連中に見られることはないけど。

 こっちから地上を見渡すことが出来る。


「敗北宣言を聞いた時は耳を疑ったが、王国本土まで攻撃が及ぶとは、な」

 ブリッジには軍服を着崩したモモ提督がある。

 ボクをハナ姉に届けた後、急いでブリッジに戻ったら...ウサギちゃんが項垂れてたんだとか。

 気を張り詰め過ぎてた彼女は、突如、電池切れになったらしい。

「ま、それは良いとして...ウサギ、お前」


「座り過ぎだ...尻が痛くて、立てぬ」


「丸いしっぽが」

 モモ提督にかがれて――ボクと同じような、枕みたいにだ。

「おいおい」

 これは恥ずかしい。

 でもって、ズボンから出ている丸いしっぽのふさふさ加減のチェック。

 安堵したかのように息を吐き。

「心配させるな! お前のしっぽが潰れたんじゃないかと、肝を冷やしたよ」


「あたしは、すっごい恥ずかしいよ!! いい加減、この姿の改善を求む!!!」

 モモ提督は、そう。

 ハナ姉とタイプ的に同じ。

 長身で、胸と尻のデカイ、大人の女って感じ。

 ウサギ艦長は...

 ボクたちと同じかな。

 童顔で、目が大きく、出ているとこが少ないマスコット的存在。

「艦長、かわいい」

 ブリッジのスタッフたちの漏れた声。

「かわいか、ないわ!!!」

 反論するウサギ艦長はもっと可愛らしくなる。

 頬を真っ赤に染めてるし。

「なあ」


「あ、うん?」

 ウサギ艦長はやや諦めたような息を吐く。

 ばたつかせる足も大人しく垂れたとこ。

「正直、どうする?」

 介入するかって話。

 艦長は首を横に振った――彼女の目にはブリッジのスタッフが見えてるし。

「危険を冒す必要はない、が...聖櫃の情報は必要だ。だから...」


「それでいいのか?」


「ウナさま方の判断は、仰ぐつもりだ」

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