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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1477/2521

- C 352話 侵略者たち 27 -

「聖櫃の目的は、単に()()という単純な事じゃなく、探究が常にあると思われる。が、今回の騒動はこれまでとは少し毛色が違うというか。こう、ちょっと別の目的があったような...」

 言葉では、上手く伝わりそうにない。

 知識ぎじゅつの押し売りは、これまでにも何度かあった。

 その見返りが、(彼らにとっての)()()だった訳だけども。

 いや、ぱっと見では今回も。


「確かにそういう事ならば...ね」

 ムヒさんが、関係ないかも知れないけど――なんて前置きで、皇帝に告げる情報を開示してくれた。本来は首脳陣だけが閲覧するであろう、聖櫃の情報で...ボクたちのような怪しい連中に、開示されるはずも無いものだった。

 それは、第5艦隊が追ってた、ノイズの行方だ。

「南極海方面で“カイザー・ヴィルト”の機影を見たと、報告がありましたの」

 ノイズの正体がその飛行要塞かは確認が取れてない。

 ノイズが遠のいて消えた方角と、目撃された時刻等が偶然というには、少し出来過ぎているような“違和感”があった。ノイズの解析は、目下、同艦隊で急ピッチに行われている案件だけど、恐らくは怪鳥ゴーレム“カイザー・ヴィルト”である可能性は......。

 高いんだそうな。


 ただし。

 ここでもう一つ、削っておかないといけないことがある。

 南極海に面している国が2、3という数ではなく。

 12の太守国のうち、半数が該当するということ。

「じゃ、仮に目撃された怪鳥ゴーレムが...実は、聖櫃とは何ら関係ない可能性も? あるってこと...」

 エサ子は、鼻頭を摘まみ。

 手鼻を噛む。

 あ、や、ばっちぃなあ!!!

「あくまでも可能性だ」

 平静なムヒさん。

 ボクたちの中で一番の年長さんという感じか。

 ちびっこ剣士キルダ・オリジナル...は、どっかそっちに置いておこう。

「仮にとする部分は、とにかく多いぞ。何しろ、何もわかっていないというのが根底にあって、そこから空想とか妄想とかで推論している。正に砂上の楼閣、破綻するのが当たり前になる訳だけども、聖櫃の飛行要塞が我々とは違う技術で飛行しているのだとすると...」

 ゴクリ、皆の喉が鳴る。

 いやあ、ボクも一緒に唾を飲み込んでたひとりだ。

 なんで?

 そりゃあ、集団心理。

「べらぼうな航続距離を持っている!!」



「しつも~ん!!」

 スク水に着替え終えたボクは、その場で挙手してる。

 あ、脇の下は別の手でちゃんと隠してるぞ!

 これ、マナーなんでしょ!!

「旧いアクションだが、どうぞ...マル・コメ嬢」


「えっと、航続距離ってなんぞ?」

 ボクの怪鳥ゴーレムには、そもそも航続距離の概念がない。

 いや、魔界()()()()世界で飛ばすには、効率の良い方法が見つからなかった。オリハルコン粘土や、精霊マナ石あたりを利用して、飛行する動力としたけど...構想そのものは、空気中に充満しているマナを、十分に取り込むことが出来れば永続的に飛行することが出来る。

 ハズ...なんだけど?


 ん?

 ボクとウナちゃんの視線が交差する。

「そもそも今の怪鳥・飛竜ゴーレムって、誰のをモデルにしてるの?」

 先ずそこから説明が欲しい。

 大雑把な設計なんかして~

「マルちゃんの忘れ物が原因だよ」


「は?」

 歯の間にものが嵌ったような不機嫌さと、

 加えて一方的に嫌悪を交えて、睨み返しちゃった。

 ボクは、この時点で何も覚えていない。


 そう、ボクらは...

 魔界に幾度か足を踏み入れているという事をだ。

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