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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1475/2520

- C 350話 侵略者たち 25 -

「で、正教会司教区から連絡が入ったと思えば...助力の嘆願?」

 ウサギちゃんが、巨乳姫を見上げてる。

 四領王には上から目線で、告げといて――酷い剣幕で追い返されたのは記憶に新しい。

 てか、まだしっかり覚えてる。


 士官食堂を占拠するふたり。

 ブリッジは艦長に任せ、部屋に引き籠ろうとしたところで――料理長と揉める代将かのじょを発見した。実のところ指揮所で、ボロボロこぼして食べる、喰いじの汚い姫さんに艦長がぷちキレて追い出されたところ。

 口に放り込んでたのは、クルミ。

 殻をハンドガンのグリップ部分で砕き、中身をほじって喰ってた。

 その拳銃の扱いにも、苦言を呈する。

「大丈夫、ほら...安全装置が」

 かかってない。

 ロックされてなくて...

「いや、ほら...あれだ、スライド引かないと」

 副長が姫から銃を取り上げ、

 薬室の中を覗き込む――9ミリの真鍮が鈍く光ってた。

「艦長、これはOUTです」

 だって。



「あんた、バカなんじゃないの?」

 調理長から、食材として使わない部材を貰い受けたウサギちゃん。

 箱の中を漁ってた。

「それは?」


「賞味期限切れ手前の野菜たち。萎れたレタスに...くたびれたキャベツ。あとは...こんな切れ端の牛蒡と、料理長がこっそり忍ばせてくれた、ニンジン!!」

 調理できそうな色合いだけど、

 シーラビット族の目からでは、やはり鮮度が一段落ちているのだという。

 また、グルメなラウンドラビット族という獣人は、それらを畑に棄てて肥料にするという。

「なるほどねえ」

 箱から出したニンジンを咥え、

 食堂に設置された椅子に飛びつこうとしているけど...残念。

 彼女の身長と大差ないようで、上がれそうにもない。


 代将かのじょの副長が手を差し伸べても、プライドが許さないのか――「ちょっと、余計なことしないで! 士官だった時はこう、ちゃんと乗れたんだから!!!」――ええ、その時はその時でしょうとも。

 だって、同期が踏み台を作ってくれたもの。

 世話が焼けるって...

「...あ、あんがと...でも、でもさあ。おっぱいを掴みながら、身体を持ち上げなくてもよくない? 糞恥ずかしい上に、ちょっとTKB勃ったの分かってるよね?」

 巨乳姫は明後日から、珈琲を受け取ってた。



 で、再検討。

 ハナ姉も相席が許されたような雰囲気だけど。

 彼女と少年兵は元から、その隣席でデザートを食べてた。


 本日のデザート

 “絶叫トマトゼリー”

 トマトのままの塊を潰すと、中からフレッシュなトマトジュースが、あふれ出すというギミック。

 効果音が付いてて、マンドラゴラの叫びが再生されるらしい。

 アホだ。

「ごめんね、君たち」

 巨乳姫の悪気の無い巨乳が目を惹く。

 ハナ姉さえも自分のと比較し、なぜか怒りを覚えてた。

「一度は突き放された案件だけど、事情が変わったといえば...果たしてどんなことが考えられるんだろう?」

 (他国から)要請されれば、世界の警察と自負する天領軍はどこのどんな場所にでも赴く。

 これは、12魔王領太守との契約である。

 統一王朝は、この相互関係で一枚岩となってた。


 ただし、全てではない。

 自国の国力だけで対処できなかった場合のみ――なんて条件もある。

「クーデター」

 銀色に鈍く光るフォークがふたりの高級将校へ向けられてた。

 憤るは、御付きの将校らである。

 ま、少佐より上のひとたちだけど...

「何を根拠に?」

 ニンジンの先が、同様にハナ姉に向けられた。

 フォークほど怖くは無いんだけども、

「プライドの高い為政者が態度を変える時は、罠に嵌める時か或いは、自身じゃどうしようも出来なくなった時だけ。つまり、国家元首が玉座から、引きずり降ろされたと見ると妥当な気がしないかな?」

 四領王の情報は、少年兵からだ。

 それらを考慮すると...

 我儘な王さまは、その権力を奪われたと見る事が出来る。

「ふうむ」

 巨乳姫は頷く。

 御付きの世話好きな人々は、難しそうな、悔しそうに睨んでくる。

 ああ、支えてるってアピールしたかったのか。

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