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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1473/2520

- C 348話 侵略者たち 23 -

 “巨乳姫”提督が座乗する、大型重巡洋艦の周囲にある軍艦たちも――対艦戦になったら、ちょっと脆そうっていうイメージは拭えないけど。逆に発見さえされなかったら、戦いは()()が言うように魔法士同士のものと成る。

 これはあれだ、航空機が時代を変えたのと同じ発想だな。


「で、軽空みたいなのが多いと?」

 ポリポリって音が聞こえる。

 生のニンジンらしい。

 今、シーモンキー族の“巨乳姫”は、ウサギちゃんの姿を想像している。

《あ、鼻血出そう...》

 ――で、彼女は胸元で温めてたのを、そっと眼下へ差し出す。

「やるよ、私がもってて喰わんし」


「温かいじゃん?」

 でも、受け取るのは同期の優しさか、あるいは習性か。



 現在の飛行魔法士育成プログラムの進捗には、各国で大きな差はない。

 これは、大砲の着弾観測から、高空からの威力偵察程度までしか活躍の場ないからだ。

 いや、そもそも統一王朝となっている魔界では、これ以上の進展も見れそうにない。

 そう、()()()()()を攻撃でもしない限りは――で、聖櫃の行動が気にかかる――「天領の軍事力はずば抜けているが、皇帝領いっこくだけで、世界を見張り続けることなどは...不可能!! ただ、騎士団われわれも思い違いをしてた。北極のポータルから天領軍が来ているのだ、と...」

 四領の空に6機目の“カイザー・ヴィルト”が上がってた。

 滞空しているのは他の5機よりも長く、そして、最高高度にまで達している。

 これが四領のと違うのは、光学迷彩が施されてる点だろうか。

「宗主!」

 ヴィルトのブリッジには、半透明の球体とそれらを見上げる観測兵に、操縦そのものを行う技師が缶詰になっている。

 ブリッジは、二階建ての吹き抜けのよう構造になってた。

 一階側が忙しく、

 二階側は、航空管制の任にあるような。

 手摺り越しに下階を、見下ろすことが出来た。

「アンプルの記録は満足いかなかった、か...」

 苦笑してるけど。

 本気で悔しがってる感じじゃない。

 どこかで...

 或いは、そうじゃないかって感覚はあった。

「――監視者たちは、驚いてくれたかな? 彼らの跳躍先に...さ。...っ、まあ、跳躍して貰った彼らも、あまりいい歓迎は受けないだろうけど。彼らも分かってたと思うんだ、聖櫃われわれの仕事にはリスクがつきものだという事が!!」

 見上げられてる男の甲高い笑い。

「艦長、高度はそのままで南極海へ...」

 聖櫃ボクらを呼ぶ世界は未だ、いくつもあるんだ。

 っぽい棄て台詞を吐いて、彼らは飛ぶ。


 残念なことに、第5艦隊の持つ索敵能力でも、超高高度にある怪鳥ゴーレムの捕捉は難しかった。いや、認識阻害の魔術式に加え、光学迷彩が施されてた。

 これを捕捉できる者はない。

 その上、上がり過ぎなのだ...巨大な鳥が。

 四領の空を埋め尽くしてたのだから。



 不審なノイズを追ってたオペレーターが台パン。

 静寂を求めてて、

 だから、耳を澄ませてた者らが、ちびりそうになった。

「な、なになに?!」

 ヘッドセットを机上に投げ、

「逃げられました」

 目が駄目なら、匂いか或いは耳かってくらい五感を使って探ってた。

 ひとつ聞きなれないノイズがあった。

 見つけたのは偶然で、上がってる5機の稼働音が邪魔だったけど...

 それは確かに居た。


「ど、ドンマイ」

 ウサギちゃんがニンジンを差し出す。

 項垂れてる観測兵へのフォローみたいな。

 不謹慎かなとか、

 ニンジンを引っ込めかけて...

「くれないんですか?」


「ああ、えっと...はい、あげます」

 ウサギちゃんは代将なんだけど。

 シーモンキーの姫さんよりかは、まあ、偉い人オーラが薄い。

 指揮官のロールから外れると、彼女は艦隊のマスコットへとおさまってた。

「ナマも、イケますね!」

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