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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1232/2520

進撃のコシュマール、新たな敵影を見ゆ!

 ハードモードの敵は這う這うの体で逃げ出した。

 まあ、このゲームの特徴には砲撃(雷撃)予測線というのがある。

 直進している船が、数十秒後には“()()”にいます、といったような予測位置をシステム的に教えてくれるもの。

 絶対じゃないから、必殺必中なんてことはない。

 かつては“()()()()()”機能があったけど。

 バグで遮蔽物に隠れても、真上から砲弾が追ってくるというコトがあった。

 結果的に運営はそういう()()()ではなかったという弁明をして、システムから“ロックオン”が消えたのだ。

 代わり用意されたのが、予測線ってこと。


 実はもうひとつ予測線に代わる方法がある。

 観測器による着弾観測。

 これはまあ、システム的に集弾力を高めるための補正値バフみたいなもの。

 NPCたちも多用するので、敵の観測器を発見したら叩き落すのが基本だ。

 ほっとくと、最大30%も命中弾を引き寄せることになる。

 何が怖いかというと、10~15%はスキルやパークによって、敵の集弾を散らすことができる。

 デフォルトで60%くらいある集弾だから、これをどこまで散らせるか否かってことに。

 最悪、100%までバフされてる――なんてのと戦わされる訳だ。

 デバフしても、100%って事もあるから大変だ。

 これの対抗として、同一の観測器も戦う力が求められるようになった。

 連邦で訓練されてる“空戦技兵”ってのがソレ。


 プレイヤー側には“空戦魔法技兵”ってピックアップ・ガチャがあって、すっごい金が落ちたって話。

 ボクの調べでは一人当たり5~6万円くらいは回したって話。

 同接100万人前後の()()()()にして豪快な話に思える。

 空母の導入は、賛否があったから...

 たぶん、その酷評に対する回答みたいなもんじゃないか、な。

 ピックアップなのに当選確率は「0.008%」っていう絞り具合。

 しかも天井なしだから、この数字も当てにならないっていう。

「ハンドベルって実のところ、どんな爆装なの?」

 艦長席で正座して、瞑想中のウナちゃんに問う。

 本人は瞑想中であると告げてた。

「...っ、生活魔法によって重量は、100分の1にされてあるという。確か、50kg爆弾と同じレベルと聞いている」

 格納庫の木箱に柄のついた、ベルっぽいのがたくさんあったな。

 まさか...

「私は、してない」


「え?」


「しらない...」

 ん?

 ウナちゃん何を。

「直掩より報告!」

 電報だといって飛び込んできた水兵がある。

 コシュマールの司令塔はコンパクトにまとめられてた。

 これもマストや装甲とかもう少し弄って、大型化すれば居住性が良くなったと思える部分。

 軽巡洋艦の船体なのに手狭に感じる要因だ。

「後部甲板には?」

 ハナ姉が「構うな艦橋へ伝えろ」と指示したらしい。

「ふむ」


「船影が見えたと」

 ハードモードの洗礼は未だ、終わってなかったと見える。

 そうなると直撃は避けないと...

「船を縦に後進一杯!! 霧に隠れる」

 って正座してるウナからの号令。

 艦長として頼もしく見えたのはこの時だけだった。

「私は再び寝る」


「ん?」


「故に、この後...何があったとしても」

 やや左下へ俯きかけ、

「私の与り知らぬことである!」

 と、カクんってこうべを垂らして動かなくなった。

 アバターは残ったままだから、INさせたままで...席に居ないってことだろうか。

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