進撃のコシュマール、新たな敵影を見ゆ!
ハードモードの敵は這う這うの体で逃げ出した。
まあ、このゲームの特徴には砲撃(雷撃)予測線というのがある。
直進している船が、数十秒後には“ココ”にいます、といったような予測位置をシステム的に教えてくれるもの。
絶対じゃないから、必殺必中なんてことはない。
かつては“ロックオン”機能があったけど。
バグで遮蔽物に隠れても、真上から砲弾が追ってくるというコトがあった。
結果的に運営はそういうつもりではなかったという弁明をして、システムから“ロックオン”が消えたのだ。
代わり用意されたのが、予測線ってこと。
実はもうひとつ予測線に代わる方法がある。
観測器による着弾観測。
これはまあ、システム的に集弾力を高めるための補正値みたいなもの。
NPCたちも多用するので、敵の観測器を発見したら叩き落すのが基本だ。
ほっとくと、最大30%も命中弾を引き寄せることになる。
何が怖いかというと、10~15%はスキルやパークによって、敵の集弾を散らすことができる。
デフォルトで60%くらいある集弾だから、これをどこまで散らせるか否かってことに。
最悪、100%までバフされてる――なんてのと戦わされる訳だ。
デバフしても、100%って事もあるから大変だ。
これの対抗として、同一の観測器も戦う力が求められるようになった。
連邦で訓練されてる“空戦技兵”ってのがソレ。
プレイヤー側には“空戦魔法技兵”ってピックアップ・ガチャがあって、すっごい金が落ちたって話。
ボクの調べでは一人当たり5~6万円くらいは回したって話。
同接100万人前後のお舟ゲーにして豪快な話に思える。
空母の導入は、賛否があったから...
たぶん、その酷評に対する回答みたいなもんじゃないか、な。
ピックアップなのに当選確率は「0.008%」っていう絞り具合。
しかも天井なしだから、この数字も当てにならないっていう。
「ハンドベルって実のところ、どんな爆装なの?」
艦長席で正座して、瞑想中のウナちゃんに問う。
本人は瞑想中であると告げてた。
「...っ、生活魔法によって重量は、100分の1にされてあるという。確か、50kg爆弾と同じレベルと聞いている」
格納庫の木箱に柄のついた、ベルっぽいのがたくさんあったな。
まさか...
「私は、してない」
「え?」
「しらない...」
ん?
ウナちゃん何を。
「直掩より報告!」
電報だといって飛び込んできた水兵がある。
コシュマールの司令塔はコンパクトにまとめられてた。
これもマストや装甲とかもう少し弄って、大型化すれば居住性が良くなったと思える部分。
軽巡洋艦の船体なのに手狭に感じる要因だ。
「後部甲板には?」
ハナ姉が「構うな艦橋へ伝えろ」と指示したらしい。
「ふむ」
「船影が見えたと」
ハードモードの洗礼は未だ、終わってなかったと見える。
そうなると直撃は避けないと...
「船を縦に後進一杯!! 霧に隠れる」
って正座してる子からの号令。
艦長として頼もしく見えたのはこの時だけだった。
「私は再び寝る」
「ん?」
「故に、この後...何があったとしても」
やや左下へ俯きかけ、
「私の与り知らぬことである!」
と、カクんって頭を垂らして動かなくなった。
アバターは残ったままだから、INさせたままで...席に居ないってことだろうか。




