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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1230/2519

進撃のコシュマール、魔法士とびぃま~すぅ!!

 コシュマールの船体は軽巡洋艦を利用している。

 実のところフィジカルポイントが余り過ぎてて、だいぶ勿体ないつくりなのだけど。

 その船体には、付属品として魔法士の発艦用カタパルトが2基装備されてあった。

 発艦にはいくつかやり方はあるんだけど。


 一番やりたくないのが...このカタパルト。

 油圧で押し出すものや、火薬の爆発力を使うってのもあったけど。

 魔法士が空を飛ぶ世界では、助走なしで“フライ”を唱えるだけでいい。

 椅子に座らされて、空へ放り出されるなんて、思ってもみないことだろう。

 恐怖のバンシーチェアなんて言われてる呪いの椅子だ。

「怖くない、怖くない」

 格納庫で泣きじゃくる子が続出。

 まあ、分かってたさ。

 カタパルトの傾斜角は32度。

 空へ向けて目をつぶっても、風圧で顔どころか首がもげそうなほどキツイ。


 ボクも試しに座ってみたことがある。

 失神してそのまま、遠方の海へ落ちていった。

 救助されなかったらOUTだったと思うわ。

「しゃきっとしろ!」

 無茶を言う。

 まあ、ハナ姉らしいといえば...

 いや、何でもない。

「マル、無理だった」

 心なしか姉さまが、落ち込んでいる様子。

 こうなるとボクも弱い。

「じゃあさ、格納庫の上蓋部から“フライ”で飛んでみては?」

 余計なことを言ったかもなあって。

「その判断に従う」

 お姉ちゃんは嬉しいぞって聞こえたような気もする。

 ハナ姉的には、自分から箒に跨って飛ぶ事も厭わないんだろうけど。

 ボクたちがその力を行使したら...バランスが。

「その心配はない」

 寝落ちしてた筈のウナちゃんの復活。

 単にぐるぐる巻きにしてただけの椅子の上で、猟奇殺人事件も真っ青な絡まり具合で――物凄い目力をこちらに向けてきてた。

「えっと、何のこと?」



「マルちゃんが魔法使いとして世界を破壊するという話!」

 真面目に話そうとしている割には滑稽で仕方ない。

「その目が笑っているのは分かるから...これを、この窮屈さの改善求ム!」

 絡まったというか。

 あやとりの最中で何かを見失ったような...方向感覚だ!

「で、なぜ心配はないと?」


「世界を破壊するような力がないからだ」

 いや、もとよりそんな力、ないんですけど。

 付き合っていいのだろうか。

「この世界ではプレイヤーの心を持ったNPCである!」

 ほう。

 しかしですね。

 ステータスウインドウを見ると、ボクのMP3桁の999なんだけど。

 ユニークスキルでは、造船技師の外に賢者見習いとかある。

 魔法使いではないとしても...

 賢者って、ね。

 そう...ね。

「私だって称号に「魔王」があるけど、MPは2桁の99だ......え?」


「は?」



 1200トンの方から悲鳴が聞こえた気がする。

 高空からハンドベルをしこたま、投げ込まれてるような様子。

 爆発、水柱、波被り...なんとなく散々なご様子だ。

「みてよ、ウナちゃん!!」


「見ておる」

 俯きながら涙目だ。

 ボクのステータスを見て自信を無くしたと見える。

「やっぱり航空兵力は強い!!」


「じゃな」

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