- C 167話 カラチ沖 カスピ海海戦 3 -
暫くすると、戦艦同士の巨砲が唸りだした。
抵抗勢力の所謂、陣営という粗末かもしれない組織図に、海軍はない。
各国の、反スカイトバークという一つの目標だけで集まった、有志連合艦隊ってのがそれに当たる。まあ、その組織図ってのも怪しいもので、実のところは寄せ集めでできた虎狼の輩みたいなものだろうか。
対するスカイトバーク王国も、どちらかというと陸軍国家として名を馳せている。
その上で、彼らを評価する場合、海においての輝きし戦果と言ったら、ノース地域のアストラハン王国包囲戦の海上封鎖くらいだろう、か。
それ以降、カスピ海でスカイとバークと一戦交えるような国はない。
理由としては単純で、圧倒的な武力を見せつけたのだ。
今のところ、かつてのグラスノザルツ帝国のように敵なしなんて、破竹の快進撃が続けられている。陸においては西の“エルザン王国”と緩衝地域“イ・ジェヌヴァン王国”を挟む形で睨みあっている最中で、の南下という事になる。
イ・ジェヌヴァン王国は、かつて“ランペルーク王国”と呼ばれてた。
いくつかの浮島と風の都とか幻想的だったけど、400年も経つとそのほとんどが魔力を失い、海中に陸地に、瓦礫へと変化させて没したという。
それはもう、大惨事というレベルのことだった。
そうした国々を追い詰めるスカイトバークは、ひとつ前の時代錯誤的な艦隊を率いて南下を開始。
皆の恐れる的になったという訳だ。
◇
スカイトバーク王国・インド洋艦隊(陣容)
〇戦艦
艦名:アトロパテス級 ネームドシップ
HP:55300(耐久/64)
装甲:約51ミリ(艦首・艦尾)
152ミリ(水線部)
330ミリ(装甲帯)
約51ミリ(上甲板)
279ミリ(艦橋塔)
武装:381ミリ45口径 三連装砲3基9門
152ミリ45口径 単装砲14基
(砲撃威力/83)
76ミリ45口径 単装高角砲2基
102ミリ50口径 連装高角砲4基
47ミリ43口径 単装機砲2基
(対空威力/30)
速力:23.5ノット(機動性/24)
備考:同級に3隻、アリュート、サラユエ、バイラムで、100年前の将軍から因んで命名された栄誉艦艇である。主力戦艦だが、旧式でありスクラップを惜しまれ戦場に出てきた船といえる。
艦名:アルタバヌス級 ネームドシップ
HP:60300(耐久/69)
装甲:約51ミリ(艦首・艦尾)
137ミリ(水線部)
373ミリ(装甲帯)
約51ミリ(上甲板)
102ミリ(艦橋塔)
武装:381ミリ45口径 三連装砲3基9門
133ミリ50口径 連装砲8基16門
(砲撃威力/90)
40ミリ39口径 四連装高角砲4基
40ミリ40口径 四連装高角砲4基
20ミリ単装機関砲22基
(対空威力/50)
速力:28ノット(機動性/36)
備考:同級に1隻、アルサケスがある。こちらは2番艦で機動性に改良が施され、30ノットで奔ることが可能。また1番砲塔のみ4連装砲へと換装された近代戦艦である。
〇巡洋艦
艦名:イスマイル級 ネームドシップ
HP:39900(耐久/53)
装甲:約40ミリ(艦首・艦尾)
55ミリ(水線部)
105ミリ(装甲帯)
約30ミリ(上甲板)
150ミリ(艦橋塔)
武装:180ミリ50口径 三連装砲4基12門
100ミリ70口径 連装砲8基16門
(砲撃威力/77)
76ミリ45口径 単装高角砲2基
47ミリ43口径 単装機砲2基
(対空威力/18)
速力:33ノット(機動性/48)
備考:同型艦多数だが、統一規格ではなく。他国から賠償金の肩代わりで手に入れた船らをこの艦級で呼ぶことがある。自前で建造しないで寄せ集めた結果が国内でも“ガチャ”艦と呼ばれるようになる。
他にも駆逐艦と続くのだけど。
解説しているボクが疲れてきた。
寝たくて、枕もっている状態なのに...寝かせて貰えない状態である。
えっと、何の話をしてたんだっけ?
◆
王国の末姫フィズ・アーチペラゴーニュは、航空戦艦の飛行指令所に詰めてた。
本来ならば、飛行魔法士隊の司令(少佐相当)が詰めてた筈の部屋だ。
皇室を迎えるとあって、部屋の無機質とは場違いなほどの豪奢なソファーに机に、歓談用の卓上などの調度品が押し込まれている。
おそらくこの船に直撃コースの砲弾でもあれば、姫は調度品のいずれかで落命するだろう。
そういう、凶器だらけの部屋となっていた。
「敵の艦隊は、前ド級戦艦アトロパテス級を筆頭に複縦陣で臨むものと思われます...」
姫は、机上に置かれた模型船を差し、
「アトロパテスは低速な船ですけど」
この海戦だけ、最大速力で走り抜けたとしても艦隊全体でみると、がちゃがちゃしがちな状況だとフィズは説く。
戦艦に合わせて、艦隊の速度が制限されてるとなると...。




