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ハイファンタジー・オンライン  作者: さんぜん円ねこ
陽炎戦記
1221/2516

- C 164話 機動艦隊とクァンガイ航空隊 10 -

「救助者の回収と、第2次攻撃隊の準備も急げ!」

 各水上器母艦の艦長らが指示すると、母艦の飛行甲板に次の出撃を待つ魔法士たちが整列し始める。

 その数は、20人余り。

 水上器母艦が6隻なので約120名の魔法士が“第2陣”という事だ。

 初撃の第1次攻撃隊は100人前後である。

 およそ、3次攻撃まで企画されていて60~90人ちかくが飛び立つ。


 魔法士たちには、対弾性の高い装甲服を着せてある。

 また、簡易ではるものの魔法盾マジックシールド発生装置も装備されてた。

 完全なるノーダメージじゃなくとも、最初の数十発の機銃には耐えられるつくりだ。

 あとは、魔法士の空戦技術が問われる。

 もともと偵察からの発展だから、空戦技術は一朝一夕では勝ち得ない。

 将来を見越して、魔法師団では陸と海の両軍から有望な兵士を募って、過酷な訓練を納めてきた。


 あとは、少女たち少年たち訓練以上を、実戦で身に付けるほかない。

「大人が代わってやれればいいのだがな」

 飛行甲板の魔法士たちを見ている。

「検討...は、されてましたね」


「純粋にオドの質によるそうだ。複雑なイメージ、発想ともいうべきか。...操作能力は子供の時分から鍛えないと、大人のでは単純な飛行しかできない。恐らく、今の魔法使いをすべて空に上げたとしても、少年少女らの足元にさえ及ばんだろう、とさ」

 腕を組み俯く。

「艦長?」


「戦争屋が散るのはいいさ、だが、彼らも戦争屋にさせる時代は悲しいな」

 飛行甲板にあるのは10代の子供たちだ。

 いずれは徴兵制で兵役に挙がるのだろう。

 市民の義務だといって、親下から強制的に離別させられる今のようなものじゃなく。

 各州の行政機関から“くじ引き”という形で()()()()される。


 額を拭う。

「陸軍は強化技兵の投入まで考えるといってた、な」

 艦長の言葉に幕僚が咳払いする。

—―空気読めとかいう注意ではなく、喉の奥にえへん虫を感じる。

「魔法士としての素質はあるが、後天性で勝ち得た能力の為に未開発の器官という者たちのことですね? 仮に先天的に早くから内側のオドに干渉できるようになった、魔法使いの子供たちと同じようにマナとも、交信できるような能力が獲得できるというなら...」


「だが実態は—―」

 甲板の飛行隊長より“念話”がチリチリ鳴る。

「こちら第二陣、整列完了しました!!」

 艦尾の広いスペースに第一陣の魔法士たちが着艦してるのが見える。

「ただちに発艦し、敵対勢力の輸送船団をことごとく沈めてこい!!」

 水上器母艦は艦首を向かい風に向けた。

 速度が出るよう、十分に機関出力を上げる。

「第一陣の方は奇襲であったのに帰還率が悪いな」

 救護兵や、アイテム士などが駆け寄ってた。

 担架で運ばれる子は少ない。

「本艦からは18名が出ました。雷装での出撃でしたから、雷装と爆装組の直掩だった旗艦“ワルシャワ”と僚艦の2隻“ブウォツク”、“シェドルツェ”の方が深刻かもしれません」



 連邦共和国最新にして、大型の水上器母艦として2つある、方面軍の旗艦を務める軍艦がある。

 それが水上器装甲母艦マゾフシェ級だ。

 最大全長は220メートル。

 艦尾甲板は、艦首から艦中央部までと比較すると、1段低くつくられてある。

 これはフロートで着水した、魔法士たちを回収するための配慮であるとともに、遠方からのシルエットが読みづらくするためのものだ。一応、側面の防御には巡洋艦の8インチに耐え、飛行甲板は200kg爆弾ハンドベルにも耐えられるよう、装甲化が図られた。

 また自衛用に片舷に139ミリ両用砲がいくつか配置されてあるようだ。


 インド洋機動艦隊に配備された、旗艦も務めるのはマゾフシェ級“ワルシャワ”で、魔法士は210名と80名の予備士官が乗り込んでた。偵察と、観測の専門として陸軍所属の()()()()っていう、明らかに経路の違う連中があった。

 陸軍魔法師団麾下、局地特殊偵察戦隊所属“落下星メテオ・ストライク”。

 強化外骨格装甲ヘヴィアームズの実戦投入を果たした、重魔法士なっていう物騒なひとたち。

 詳しいことが黒塗りの極秘部隊らしく。


 陸での戦闘は経験豊富らしい。

「本国の思惑的には、クァンガイに橋頭保をつくり、スカイとバークの牽制が目的なのだろう?」

 提督座乗ワルシャワを尻目にしている。

 全部で6隻あるマゾフシェ級を3隻も派遣しているとこからすると...。

「参謀殿からの戦果報告がありました」


「ああ」


「駆逐分艦隊の6割を、中破および大破まで追い込み、撃沈は8隻。敵前逃亡の方は多数とのこと...護衛を薄なった輸送船団の掃討が必要とのことです」

 艦橋内の将校たちは軽く頷き、艦長へ視線を向けた。

「彼ら護衛部隊に水上器母艦ウイッチキャリアが居なくて助かっただけだろうな...我々が、魔法士の本来、あるべき可能性を示してしまったという戒めにしなければ、幾度も同じことが通用するとは思えぬ...で、負傷、行方不明の数は?」


「急降下爆撃組が少々、帰還不能者が目立つとのことです」

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