-番外編 女王エリザベータの帰還/登場人物と設定-
緋色の冒険者らも時を分けながら個々にこの世界へ到達した。
が、その数は僅かに3名のみ。元の世界で放たれた魔法の障害によって友や、師はその狭間に置き去りにされたようだと、彼は小さく呟いた。
帝国が開発した魔法は、正しくは彗星堕とし。
敵、味方を問わずの大量殺戮兵器だった。
だが、まだ成功には至ってない。
魔人の数が足らなかったのか、或いはその質が悪かったのか。
魔王とその遊撃軍は帝国北部へ全戦力を投入する――その話は、また後のこと。
緋色のリーダー、グエンは愛騎の戦甲虫に跨って友、カーマイケルを訪ねる。
ただし、完全に通りすがりのつもりで立ち寄っただけなのだが。
◆
-登場人物と設定-
“流離いの旅人”
名前: グエン・シート
種族: 人間
部族: 帝国の末裔/地方領主
性別: 女性
外見属性/性別:なし
髪:水色 髪型:長髪、3本のアホ毛(前2本、後ろ・寝ぐせ) 瞳:黒 肌:白
※身長:158.6cm 体重:58.2kg エロいボディ
属性: 光属性
加護: 光竜王の紋章
職業: 竜騎兵/竜槍騎士/甲虫騎兵
所属: 根無し草
称号: 流離いの甲虫騎兵
役割: アタッカー
魔法: 超位魔法のひとつだけ
技能: 身体言語
危機感知
調教師
身体強化
騎獣強化
武器上限解放 他
備考:
緋色の冒険者のリーダーだった、13英雄家のひとつ。
戦う事よりも、紅茶を飲んでお菓子を食べることに人生を費やしたいと考える普通の人でもある。
甲虫騎兵を駆使して、カブトムシから竜咆哮を吐かせる能力を有する。光属性の固有攻撃スキルで、騎乗できるすべての騎乗動物が吐ける魔法なのだが、どう見てもゲロを吐いているようにしか見えない事から“ゲロゲロ・ビーム”という悪名がついている。
“三賢者のひとびと”
名前: エイジス・アナトミア
種族: ダークエルフ
部族: 転生者/ムーンキャスター
性別: 女性
外見属性/性別:なし
髪:黒 髪型:ストレート・ロング 瞳:碧 肌:褐色
※身長:160.7cm 体重:48.3kg
属性: 無属性
加護: 旧き神々の癒し手
職業: 魔女/中隊長の嫁
所属: 国境なき傭兵団・遊撃隊
称号: 中隊長の新妻
役割: ヒーラー
魔法: 最上位魔法の数々
技能: 魔力感知
蘇生術
解剖学
薬学 など
備考:
三賢者の末妹にして、ダークエルフに転生した女の子。
人間の年齢でようやく17歳になった初心な少女だ。魔法の殆どが補助系に偏った傾向で、攻撃できる魔法は殆ど持ち合わせていない。ヒーラーに特化している訳ではないが、状態から皆にそう思われている節がある。
名前: バルドー・アナトミア
種族: 人間
部族: 帝国の臣民/宮廷魔法使い
性別: 男性
外見属性/性別:なし
髪:なし/髭が長い 髪型:なし 瞳:金色 肌:白
※身長:177.9cm 体重:82kg
属性: 無属性
加護: 旧き神々の守り手
職業: 大賢者/星堕としの魔法使い
所属: 無所属
称号: 旧き世界の賢者
役割: アタッカー
魔法: 超位魔法を少々
技能: 不明
備考:
既に600歳を簡単に超えている化け物みたいな老人。
死神を撃退できる胆力と精力を持ち、やや変態気質のあるロリコン爺である。
マグロでも潮を吹かせるテクニックの持ち主と、エイジスに紹介され、マルがドン引きした人物だが、異種族間異性交遊は経験済みで、肉体があれば何の問題も無いと豪語する。
“天上宮”のひとたち
名前: エリザベータ・エル・ファガマ・ドゥテス
種族: 堕天使
部族: 神々の末裔
性別: なし
外見属性/性別:人間/女性
髪:金 髪型:長髪、手入れなく乱れてる 瞳:金 肌:白、刺青あり
※身長:不明 体重:不明 おっかない雰囲気
属性: 光属性
加護: 天上宮の紋章
職業: なし
所属: 天上宮
称号: 女王
役割: なし
魔法: 超位魔法の一部
技能: 不明
備考:
天上宮を根城とするBOSSキャラ。
HPは5本MAXで、物理・魔法攻撃の類に対する最上位までの絶対耐性を有する。
魔法に至っては、範囲系超位魔法をひとつ用意されていたが、使うことなくマルらに討滅されてしまった。
エンディングでは天上の魔王について触れられる。
“勇者一行”のひとびと
名前: アッシュ
種族: 人間
部族: ランペルーク王国市民
性別: 男性
外見属性/性別:なし
髪:茶 髪型:短髪 瞳:茶 肌:黄色
※身長:168.0cm 体重:62.9kg 魂がない雰囲気
属性: 光属性
加護: 光の紋章
職業: 剣士/勇者
所属: 勇者御一行/勇者
称号: 世界を救った人
役割: アタッカー
魔法: 高位魔法の一部/回復
技能: 剣術
二刀流
属性強化
精神強化 ほか
備考:
かつては、世界を守るべく戦ったがひとり。
天上宮の女王がひとり息子という事実から人格がふたつに分かれた。
人間・アッシュと、魔人・アッシュに分かれたが、魂とマルが用意したゴーレムの身体を得て見事、復活を果たす。元の身体は、魔人・アッシュによって支配されてしまった。が、仲間たちの協力の下でこれを退け、天上宮を目指して戦い抜いた。
のちに耳長いエルフと結婚して、魔法の効果か?気合なのか...子供を授かったという話である。
“魔王軍”からの人々
名前: ラージュ
種族: 堕天使
部族: 神々の末裔
性別: 女性
外見属性/性別:人間(髪は栗色、ふくよかな身体)/女性
髪:銀 髪型:長髪、背中まで伸びる 瞳:深紅 肌:やや黄色
※身長:161.2cm 体重:56.1kg
属性: 光属性
加護: 魔王の紋章
職業: 剣豪
所属: 魔王軍/傭兵団客分
称号: カーマイケルの長剣
役割: タンク
魔法: 光属性/風属性 最上位魔法ごく一部
技能: 不明
備考:
魔王が育てた、次代の魔王候補。
カーマイケルの暗黒騎士と巡った後では、一目惚れしてしまった。
脳筋・お姫様というジャンルに分けられる。
彼女の今後の活躍に期待したい。
------------------------
ランペルーク王国の世界観
女王は愛されたいと思っていた。
その裏が憎しみである。
彼女の魔王化はその辺りが原因で、天上において初の魔王誕生となった。
地上にある魔王軍との接点は殆どなく共闘や支援しあうという様子もなく、交渉も無かった。
天上の魔王編は、イベント・エリザベータの帰還という復讐劇を撃退するものだった。が、公式の思惑では、反逆児アッシュ・ロード(原初の魔王)復活と、女王討伐が同時進行で行われることに期待していたとアナウンスされた。
これは、黒衣の剣士がシナリオ通りにクラスアップを経ていれば、到達していたフラグだったとしている。
思惑通りであれば、魔王と対峙していたのは傭兵団の冒険者という事になる。
その後に、魔王の娘ラージュが参戦するとしても、苦戦は免れなかったのだろう。
幸い、そのアテは外れ、黒衣の剣士はマルの永久不滅の氷柱牢獄によって凍り漬けされた。
イベント終了後に復活しても、原初の魔王にクラスアップすることは無いという話だ。
要するにちょっとステ面に有利なアバターを手に入れた程度という。
これはAIに代わって中にある背後霊の話だ。
イベント終了と共に後日談を紐解けば――
彼女の汚染された肉体は、黄泉がえりを恐れてバルドー・アナトミアによって異世界に封じられることになる。
もっとも、その後彼女がよみがえることは無い。
ただ、黒衣の剣士は――。
ゴーレムの身体を得たアッシュ君と、エルフの娘は彼女の郷里に戻って結婚する。
子供は6人ほど生まれ、皆、元気な男のだという。
マル曰く、生殖機能ってゴーレムにもあるんだね――と、他人事だ。
バルドー・アナトミアは、ランペルークに残った。
年若い王を支えるためだと言ったが、彼の変態道に火を付けさせるほどストライクな少年王だったらしい。
その妹、エイジス・アナトミアと中隊長は結ばれた。
現在、新婚旅行で世界を巡っている。
大隊長曰く『帰ってくるな、いや、お前は、3rdに出向だからな!』と言い放ったという。
さて、マルとザボンの騎士らの次の冒険は――
「財布が心細くなってきた...」
と、ベックが“泣き”のアイコンを浮かべている。
財政困難は、先刻大破したクラン所持の船だ。修理代に法外な貨幣を請求された。
結果的に船を売って借金を返したらしいが、クラン員からも借用しているので借財は、まだあるという。
「堅実なルーカスが必要だよね」
マルが呟くと、ベックも呼応した。
メグミさんのアイコンは“困った”である。
「暫く、メグミさんとモデル業でもしようかなー」
マルの悪戯っぽい微笑とは、対照的にベック・パパは――『愛娘にそんな事はさせられんよ』と泣いてしまっている。
「もう、パパったら~」
◆剣技と武技について
剣技は、各武器に用意されてあるスキル名だ。
垂直兜割、横一文字胴抜き、十字連撃などは、片手剣から二刀流までが一般的な技として登録してあるものだ。
他にも槍や弓、斧なども同様に似た技を持っている。
〇裏話――
ネメシス・アークのイメージは、円月殺法そのものである。
真円は月を想定していて、その外環より煌めく切っ先が対象者を襲撃する技だ。
術者は発動後に幻影を残して、任意の場所へ移動する事が出来る。
この技は、通常連続攻撃なのだ。
武技は、身体強化スキルのこと。
基本的には、神速や体捌き、他に腕力と耐性などの強化が主となる。
スタミナの圧縮も武技に存在し、瞬間的に強烈な爆発力を発揮して、何でもない軽攻撃を重攻撃に変えている。
これらの事が出来て、はじめて一人前の英雄志願者となる。




