フロアスタッフ 責任者(勇者)
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「悪いけど、パーティーから抜けてくれ」
おなじみの言葉ですね。結構ショッキングです。言わばクビ宣言ですからね。でも辞職を勧められているだけです。まだ頼まれているだけマシな方? 頼まれているわけじゃないけれども、言った側の精神安定のための単なる言い回しなだけですか。
じゃあどんな人がそう言われるのか?
サービス業で言うと「空気を読めない人」ですかね。
魔法しか効かないのわかってるのに前線に立っちゃう戦士とか? そんな感じでしょうか? 今回は責任者(勇者)さん関係で行ってみましょう。
空気を読めない責任者(勇者)。痛いです、もの凄く。
なんせ指示がめちゃくちゃ偏ってますからね。困るんですよ。
朝食ビュッフェに行ったことありますか?
例えば、入口に並んでいるお客様を待たせてはならぬと必死なのはよくわかる。上手く捌いてください! という気持ちでいっぱいになりますね、スタッフ一同は。
そんな時に裏方にいる人まで席案内にまわそうとするんです。暇な時ならいいんですよ、裏でも暇だから。
だけど、並んでいるくらいだから、裏でも暇では無い事の方が多い。洗い場から上がってきた綺麗な皿を片付ける段取りやら、料理を差し替える注文、料理の運び込み、カトラリーの整理、消耗品の入れ替え、ドリンクの仕込み等やることが多い。お客様が多ければ多いほど、その仕事量も比例する。
そんな状態で、裏の人間を表に引っ張り、並んだお客様を席に着かせるべく指示が飛ぶ。うん、悪い話ではない。お客様をお待たせしないんだから。
でもそこに罠がある。
裏の仕事が停滞すると、当然表に回す皿やカトラリーが並ばなくなるのだ。備品が潤沢ならいい。お待たせすることもないだろう。だけど、回転させないといけないものもある。それが滞ると、結局お客様をお待たせしてしまうのだ。今度はレストラン内で。
トレイがない。箸がない。カトラリーがない。カップがない。
裏に裂かれる人材は最小限だ。一人のことが多い。そりゃそうだ。裏に何人もいては意味が無い。どこでもそんな無駄な事はしない。だけど、その人材がいなければ大変なことになる。
例えば100名のお客様がご来店だったとすると、100トレイ。ナイフフォーク100セット、あるいは箸200本。皿は種類ごとに100枚。グラスは一人2~3個使いますよね? ジュースや水で。だからグラス2~300個。コーヒーカップは50くらいを見積もって。そんな数の洗い上がりのものが所狭しと裏のスペースに乱雑に置かれることになる。それを洗い上がったタイミングで捌いていければいい。
しかし、前述の勇者様が言うのだ。
「案内フォローお願いします」と。
いや、行きますよ? 指示だからね? この洗い物の量見てから言えや! と思う。結局どこでお客様をお待たせするかの違いでしかない。
どっちがいいですか? 入口で待たされるのと、料理が目の前にあるのに皿がないとか、箸がないとかで食べられないの。私は入口で待たされる方がまだマシだ。案内されていざって時に食べられないとか、なんの拷問ですかね? 手で食べろって? テーブルが皿だって?
限られたスペースで限られた人材で上手く回すには、空気を読めなくてはいけない。
勇者は言う。
「案内お願いします」と。
下げ物してて手が離せんわ! お客様対応中で返事できんわ! 料理出してて無理じゃ! お前が一番手が空いているだろうが! 言わないけれど、これが事実だ。
勇者は空気が読めなくてはならない。パーティーの命を背負っているのだから。
ほとんど愚痴ですね(笑)