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何度も思ったよ。後を追おうって。
君の元へ行こうって思った。
でも包丁を握る手が震えた。見下ろす街に足がすくんだ。首に触れる縄に呼吸が浅くなった。
君はこんなにも怖い思いをして僕の前から消えてしまったの?
こんな思いをしてまで死んでしまいたかったの?
君の気持ちに気が付けなくてごめん。君を止めることができなくてごめん。
僕は君に謝ることがいっぱいあるよ。
でも一番は君の元へ行けなかったことかな。
君は寂しがりやだったからね。
ずっと一緒って約束したのにね。
僕は君の後を追えなかったんだ。
こうして今日も朝日を一人、眺めてる。