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君と出会ったのはいつだっただろうか。
気がついたら君が隣にいるのが当たり前になっていて覚えていないや。
一緒にかき氷を食べた縁側も、探検をした君の家も、鬼ごっこをしたあの公園も、全部全部覚えているのに。
けれど君は僕にいつだったか言ってくれた。
「人は忘れる生き物なんだよ。いつか君は私を忘れる時が来るから。そうしたら私は寂しいけどね。」
困ったように笑った君の笑顔が今でも忘れられないよ。
僕が君との出会いを忘れてしまったように、いつか君が隣にいないことが当たり前になってしまうのかな。
いつか僕は君を忘れてしまうのだろうか。
そんなのは寂しい。
けれど、君を忘れられたらどんなに楽だろうかとも思ってしまうんだ。