リサandミオ ~山下君は私の神様~
「いやだよ--いぎだぐないよ~~リサじゃぁぁぁぁん」
ベッタリとお尻を床につけて、動こうとしない私
「はいはい、行きましょうね---。」
そんな私を真顔でひっぱていく友達。
私の今の状況。
友達に両手をとられ、二階二年教室前廊下をズルズルと引きずられている。
教室の中には誰もいない。
校庭からは、かすかに部活の声が聞こえる。
私達も今から部活に行く。途中。
でも……行きたくなぁぁぁぁぁぁぁい!!
友達が私の両手をパッと放したので後ろ向きに引きずられていた私は、後頭部を床に打った。
正直とてつもなく痛かったので、後頭部を持たれていた両手で抱えた。
でも友達はこんな風になっている私を、普通の、いつもどうりの目で見て言った。
「お前は、どこまでこの体力無い女の体力を奪っていくきだい?!50m走12秒!!腹筋は30秒間で3回!!
反復横跳びなんて20秒間に10回しかできない私の体力を!どこまで?一体どこまで持っていくつもりなんだい!?www」
「・・・鬼め・・・」
「えっ?オニメ?何それ、おいしいの?」
「おいしくないよ!!食べたくも無い!!できればツッコミしたくなかったけど、リサちゃんそれほぼ逆だよね!?」
「私、50m6秒とかで走ったことないし。腹筋なんて最高50だしww。反復横跳びなんて、20秒間に70回以上いったことなんて本当に、マジでないから。wwwwwww」
「wwwwwをやめろぉぉぉぉぉぉ!!!!!!(汗)))」
「うるさいぞーーミオ。てか、なんで部活行きたくないのよぉぉぉ。理由は知ってるけど、バカにすると
お前面白いから、一から、最初から、始めから、ちゃーーーんと言ってごらん?」
「ドSキャラ降臨!!?」
「チャッチャラー☆ ドSキャラァァァァァ☆」
「リサちゃんがついに壊れたぁぁぁぁぁ!!!!!!!」
何気にガッツポーズしてしまった私。
あとできっと絞め殺されるだろう。・・・
「さ、話をそらそーとしないで、ささ、理由を言ってごらん?」
「イヤだよぉぉぉぉ。理由言うのも部活行くのもイヤぁぁぁぁ。」
「ガキか。ただ、山下君に会いたくないだけだろ。このわがまま娘め!!(あ、私が言っちゃった。ま、いっかww)」
「あーあーあー何も聞こえなーーい!///」
耳に手をつけて、少し頬を赤くしながら言った
「じゃあ、ミオにも、体育館にいるバスケ部バレー部バド部アーチェリー部カバディ部、そして校庭にいる奴らにも聞こえるように放送室に行って言ってやるよ『天神高 2年D組 ミオさんはーーバスケ部エース(自称)山下君が好き過ぎて、部活にいこうとしませーん』って。」
「放送室に勝手に入っちゃ駄目だよ。リサちゃん。」
「ツッコミ所はそこかい?そこなのかいミオ。」
「てか、本っっっっっっっっ当にムリだって!!ムリ!部活に行ったら、「山下君のオーラがキラキラで顔がカッコよすぎて声がイケボでバスケしてる所がヤバいので鼻血が出て目がつぶれてオーバーヒートして山下君にハズかしい所を見してしまう!!!!からだろ?」・・・・うん、そう」
ちょっと間をおいて、リサちゃんの顔がいい笑みを浮かべた。
「じゃあいいよ。ミオはここにいな。私から、キャプテンに、ミオは今日休みですって理由つけて言っといてあげるから。」
「本当?どんな理由をつけてくれるのかな?」
「なんでそんな質問するのかな?」
「リサちゃんがあやしー表情をしたからだよ。」
「私・・・いやらしー顔してる!?」
「・・・あやしい、“怪しい”。ね。」
「友達を疑うなんて・・・ミオちゃん!!ひどい!! ウエーンエンエーンウエーンウエーン」
「泣きマネヘッタクソだね。」
「うるさいなー昔から泣きマネだけは苦手なんだよ。」
「泣きやんじゃってるし。」
「病んでる!!?」
「黙れや」
「もーミオも部活行くなら行くー行かないなら行かないで、さっさと決めてよー・・・てか、行かないんだろぉー?理由言っといてやるから帰るならちゃっちゃとお帰りよぉーーー。」
「リサちゃんが言う理由を聞いてから帰ることにするよ。」
「えーだからー『ミオは今日休みでーす。理由はーーー…同級生の山下君の顔と声とスタイルとバスケしてる所すべて完璧でしかもキラキラオーラが半端じゃなくてそれを見るとミオさんの鼻血がこれまで以上に出てしまってしかもキラキラオーラのせいでミオさんの目がつぶれてしまいバスケ部の仕事なんてできないので・・・というか、とにかくミオさんは山下君が好きでスキでたまらなくて見た瞬間にハァハァしちゃうので当分部活には来れません』って言っといてやるよ。」
「う~ん、今日だけじゃなくて他の日も休みになってしまうと言うのがヤダなぁ…。普通に『頭痛がするそうなので休みです』って言っておいて。ではさよーなら。リサちゃん。」
「はい、さよーなら・・・って返すかボケぇぇぇぇ!!」
「あ゛ぁぁん…やっぱり行かなきゃダメ?」
「ダメ」
「えぇぇぇ・・・目がぁぁぁぁ目がぁぁぁぁ」
「ラピュタのムースか」
「・・・ムスカ?」
「そう、それ。」
その場が、沈黙でうまった。一瞬だけ。
「さ、部活行くよ。 ガシッ」
リサちゃんは今度は私の服の首の所を掴んで体育館の方へと歩き始めた。私は、今度はちゃんと立って、
でも気は下で、リサちゃんに背を向けた状態で、後ろ歩きをしながらひっぱられていった。
「ヤダよー、ヤダよヤダよヤダよー。」
「ちゃんと部活やってれば、山下君のことなんて意識しなくなるって。」
「・・・ゲームに真剣になれ・・・ってこと?」
「しょうゆうこと。さ、 パッ」
リサちゃんは持っていた私の服を離し、私の顔を見て
「行こう」
それだけ言って、体育館へと進んでいった。
「えっ…あっ!リサちゃぁぁぁぁん!!待ってよぉぉ!!(汗)」
急いで追いかける私。
まぁ、山下君へのこの想いは、きっと恋心じゃなくて、“憧れ”とか、そういう類いに入るんだと思う。
そうだ。きっとそうだ。
変に意識しなくていいんだ。
体育館に着いた私達は、崩れるように座りこんだ。
なぜなら・・・
「リサちゃん・・・」
「・・・・ゴッメ☆すっかり忘れてたお☆」
「もーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!(怒)」
今日、バスケ部は休部日だったからである。
<END>
:ありがとうございました!! 脱兎
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