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恋をした矢先に


短めに書いたファンタジー要素のある恋愛小説です。

脱走する小さなお姫様が書きたいなぁ、と思い立ち、じゃあ脱走する理由はなに?ってなって、普通ではないお姫様になりまして、

じゃあ転生ものにしようってなりまして、

ならば恋愛中心にしてしまおうってなって、そんな経緯を経て、さっと二日で書き上げました。

割愛、割愛、と書きたいシーンだけを書いた短め。


よかったら読んでいってください。




 橙色の夕陽が照らし出す時間帯。部活が休みである今日は、ほとんどの生徒が下校している。

静まり返った創立五十年の学校に、その音が響いてきてあたしは吸い寄せられるように出所を探して歩いていた。

 もう帰ろうとしていたが、音がするグランドに方向転換して向かう。

部活がないのに体操着に着替えてサッカーボールをゴールに蹴り入れている男子生徒を見付けた。

音の正体は、彼がボールを蹴る音とそれがゴールの網に引っ掛かる音だったみたい。

 その生徒は同じクラスの男子で、勉強をサボりがちなお調子者だという認識しかしていなかった。

 試合が近いのだろうか。部活がない日に残って練習なんてえらいなぁ、と思いつつその場に立ち尽くして暫く眺める。

 遠く離れたゴールに打ち込む姿が、橙色の夕陽の中に消えていきそう。

砂で汚れた体操着を引っ張り、それで汗を拭う仕草が男らしくてかっこよかった。

背景が眩い橙色のせいか、普段見ない姿のせいなのか、一人練習に励み汗を流す姿が男らしいせいか。

 胸の鼓動が、速くなった。

ドクン、ドクン、ドクン。

速くてでも強くしっかりあたしの記憶に刻み込むように、強く奏でられる。

 不意に彼があたしに気付いて、こちらを見てきた。ただ見ていただけなのに、焦りで心臓があわてふためく。

彼はいつものように無邪気な笑顔で手を大きく振ってきた。

それに安堵して手を振り返すと、胸の中が温かさが広がる。

 すると彼はゴールを指差した。

決めポーズするみたいに、親指を立てて見せる。

どうやらゴールを今から決めるぞ、という宣言みたいだ。

 彼はボールを地面に置くと、助走をつけて蹴り飛ばした。

宙を舞ったサッカーボールは、中にはいることなくカコンッと白い枠に当たり跳ね返ると彼の元に転がって戻る。

 目で見えるほど落ち込んだ彼は、ガクリと肩を落とした。

さっきまでゴールに入っていたのに。調子に乗って外してしまうなんて、彼らしいとあたしは吹き出した。



 ─────高校生になっても全然大人になりきれていない彼に、その日あたしは恋に落ちました。


でもあたしは彼に気持ちを伝えることが出来ないまま────車に轢かれて死にました。




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