表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

屋上エデン

作者: 源雪風

屋上から見る空は快晴だ。

今日も死にたい。

フェンスを乗り越えて見るいつもの世界は、さよならって言ってるみたいだ。

ここから落ちれば地面が受け止めてくれる。

靴を脱いで落ちかけたその時、手を誰かが掴んでいた。

誰かの手は放してくれない。

宙ぶらりんになる。

不思議と抵抗はしなかった。

その手が温かかったから。

強い力で引っ張られ、屋上に戻る。

「大丈夫?」

誰かは言う。

何故か泣きそうになる。

部屋で独り首つりをしなかった理由が分かった。

誰かに助けて欲しかった。

地面ではなく、人に受け止めて欲しかった。

大丈夫って言って欲しかった。

悲しんでもらいたかった。

必要とされたかった。

手の温かさが「大丈夫?」って言葉が、助けてくれた。


屋上は地獄だった。

独りで震えていた。

消えてしまいたいと何度も思った。

叫んでも泣いても、誰にも届かなかった。

「お前は必要ない」って言われてるみたいだった。


でも今は屋上は天国だ。

もう独りじゃない。

下らないことを言い合って笑いあえる友達がいる。

必要とされている。


空は快晴だ。

今日も生きたい。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 暖かい気持ちになれました [一言] こんにちは、小説を読ませていただいた大田功介です。 とても、暖かい話ですね。 自殺する人は、きっと誰かの救いをほしがるから自殺するんですね。
2012/01/04 01:47 退会済み
管理
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ