ファイナルアンサー
「おはようございまーす」
朝っぱらからうるせーのは、聖女ことミレイだ。
「……おはよう。朝から何か用か?」
ここ、俺の寝室なんだけど?
「私、フェイタル・ガー……」
「却下!」
嫌な予感しかしない俺は蜂の姿で窓から飛び出そうとした。
「何で虫とり網なんか持ってるの?」
「私、小さい頃から虫採り得意なんです」
この、くそ聖女。変な笑い方しながら妙な圧をかけてくる。逃走をあきらめた俺は改めて聞いた。
「で、フェイタル・ガーデンに入りたいとかじゃないよな?」
「ファイナルアンサーです」
「……え?うん!?は?」
日本の古いネタで答えてきたミレイに俺がビックリしていると、さらにぶっ込んできた。
「分かりませんでしたか?昔、ヤスオに教えてもらったんですが……ああ、彼は私の幼なじみです」
さらっと言うな、さらっと。
そこから、俺はミレイに色々聞いた。2人が同じパーティーだったことも、お互い死んだと思っていたことも。
「なあ、フェイタル・ガーデンに入るのは構わないんだが……魔王扱いされるかもしれないぞ?」
「ああ、それなら大丈夫です。これ見てください」
ミレイがフェニキア新聞を見せてきた。
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聖教国、未曾有の危機――「慈愛の聖女」が【堕天の魔王】へ
■ 先日、聖教国の象徴である大聖堂が轟音と共に崩壊した。聖教国評議会による緊急会見により、この惨劇が反社会魔王勢力「フェイタル・ガーデン」の手によるものであること、そしてその手引きをした黒幕が、国民の敬愛を一身に集めていた聖女・サマエである疑いが濃厚になったと発表された。これを受け、聖教国評議会はサマエに対し、歴史上最も重い罪状である「堕天の魔王」の認定を下した。
■ 聖王の安否不明、勇者の消失
混乱はこれだけに留まらない。襲撃直後から、国家の主権者である聖王陛下との連絡が途絶えており、安否が絶望視されている。さらに深刻なのは、聖女の庇護下で静養中だった勇者までもが行方不明となっている点だ。教団側は「聖女が勇者を連れ去り、魔王の切り札にしようとしている」との見解を示しており、周辺諸国に最大級の警戒を呼びかけている。
■ 揺らぐ信仰、混沌の時代へ
かつて「民の希望」と呼ばれた聖女は、なぜ国を裏切り、魔の道へと堕ちたのか。その理由は未だ謎に包まれている。聖教国守備隊は「堕天の魔王」となったサマエの行方を追うべく、全軍に動員令を発令。国民の間には動揺が広がっており、平和の時代は一夜にして終わりを告げた。
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「えーと、一つ聞いていいか?俺たち結構大勢の前で勇者や聖女を拉致したはずなんだけど……なんで被害者じゃなくて黒幕扱いされてるの?」
「自分で犯行声明を出しました」
「…………」
俺が言葉を失っていると、
「コーセー、この子バカなの?」
ビックリした。いつの間にか後ろにエマがいた。気配ゼロかよ。
「バカ……そうかも知れませんね」
ミレイは少しだけ笑った。眉の端が下がる、変な笑い方だ。
「【不義の魔王】に釣り合うように、【堕天の魔王】になってきただけですから」
重っ。えっ、この子メンヘラ?ヤンデレ?
「あなた地雷系聖女なのね。コーセー。早く聖教国に返品しなさい」
「返品て。……ミレイ、ヤスオには話したのか?」
ミレイの表情が、一瞬だけ止まった。
「……まだです」
「そうか」
俺はため息をついた。これ絶対ヤスオに話すより先にパーティーに入れろって流れだろ。なんで俺が板挟みになってんだ。
「エマ、どう思う?」
「釣り合いを取るために魔王になってくる女を、どう思えと?」
エマがジト目で俺を見る。
「……入れるしかないじゃない」
「………ファイナルアンサー?」
ミレイのイメージAI




