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おかしいわん


「……わかったよ。クルスが魔王なのは認めるさ。それで――最後の魔王は?」


俺は脳内通知を一旦、無視することに決めた。だって情報量が多すぎる。処理が追いつかない。

とりあえず、最後まで聞かなければ話にならない。資料をめくり、ユータが答える。


「最後は――『第六天魔王』ですね」


「……おい、コーセー」


 同じ転生者のヤスオが、その名に込められた歴史的重圧に気づいて声をかけてくる。だが、俺はそれを手で制止した。


「……どんな魔王なんだ?」


「この魔王は、記録上、最古の魔王になります。場所や地域を問わず出没し、自らを第六天魔王と名乗って、各地で様々なトラブルを起こしています」


ユータは淡々と続ける。


「神出鬼没で、数百年単位で現れては消えるため、実在を疑う者も多いですが、被害記録だけは確実に残っているんです」


……ですよね。


「うん、ロザリーたちの仲間になった信長で間違いないじゃん。信長、時空旅行しながら魔王活動してんの?」


脳裏に浮かぶのは、ちょんまげエルフの姿。あのキモい……いや、独特すぎるビジュアル。

俺たちはロザリーたち偉人エルフと一年間時空旅行をした。本能寺で焼け死にそうになっていた信長を皆で拉致…救出したな。

 

「マジか。本当にあの織田信長なのか?コーセー、お前、あいつと一年も一緒にいたのかよ……」


ヤスオが、引きつった顔で後ずさる。


「ああ。ロザリーが歴史書で読んだ信長を気にいってな。時空旅行で信長を見に行ったんだ。そのまま仲間にしたがな。マミたちとエルフ化(耳だけ)改造までしてさ」


思い出すだけで頭が痛い。


「まあ俺が思うにトラブルおこしてるのはロザリーでその火消しの矢面にたたされてるのが信長なんだろうな」


「……っていうか、ユータ。

 その『第六天魔王』、最近の目撃情報は?」


ユータは資料をめくりながら答えた。


「ええと、一番新しい記録では、三十年前。東の果てで『これからは、ビームの時代だ』と叫びながら、見たこともない光線兵器で砦を一撃で消し飛ばした、という報告が……」


「ロザリーの仕業(オーバーテクノロジー供与)確定じゃねーか!」


世界五大魔王。蓋を開けてみれば、フェイタル・ガーデンのメンバーに俺たちの友人となった信長。

ちょっとした手違いで、世間で彼らは魔王として恐れられている。


「それで魔王が判明した訳だが、陛下の依頼はどうするんだ」


ヤスオがどうするか聞いてきた。うーん仲間や友を倒すなんて出来ないし…


「とりあえず依頼はうけない。仲間を討伐なんて出来ないし、あの勇者は育てたら、力を振りかざしてやりたい放題になるだろ」


「そうね討伐は論外だけど、あの勇者を育てるのも無いわね」


エマが同意してくれた。そして、ずっと黙っていたレンレンが話しだした。


「ユータちゃん、私ずっと考えていたけど、魔王に選ばれた理由がわからないのよねぇん。私が魔王に認定されたのっていつかしらん?」


「えーと、200年ほど前ですね。当時のアグロニア王国から、ニコタール・スカイに侵略されかけたと申請があり認定されたようですね」


「やっぱりおかしいわん。」


「レンレン、どういうことだ?」


エマやユータは何かに気づき、「あっ」と言っているが、俺には何がおかしいか分からないからレンレンにたずねた。


「コーセーきゅん、私がいつ、魔法少女に覚醒したか覚えているかしら?」


「うん?5300年前だったかな?ホントにその節はスミマセン。あっ!」


「気付いたわねん。私、覚醒してからニコタール・スカイを名乗ったことないのよん?今の私の名前、レンレンで魔王認定なら、ちょっとだけ心当たりはあるのよん。そもそも、天空国家に1000年くらい戻ってないわん。ちょっと気になるから、久しぶりに天空国家に戻って調べてみるわん」


ホント理由が分からないな。でもレンレンひとりで大丈夫か?


「マリン、レンレンについて行ってくれないか?」


「嫌よ」


「天空国家スカイは、マッチョな男前が多かったな〜(5300年前は)」


「私が諜報担当ね?任せなさい」


マリンが快く引き受けてくれて良かった。俺もさっきの脳内通知をエマに共有し、絶望にうちのめされるエマを横目にヤスオとユータに話しかける。


「なんか、アグロニア王国もきな臭いな。ヤスオ、ユータ調べるのを手伝ってくれ」


「「もちろんだ(です)」」


こうして2人の返事を合図に俺たちは動きだしたのだ。



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