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親より先に死んだ俺、異世界で徳を積んで無双する  作者: 田舎浪漫


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やっぱりか

俺が依頼を断ると、驚き叫んでいたなんちゃら王が、ようやく再起動したように口を開いた。


「あ、あの……理由を聞いてもよろしいですか? S級冒険者ともあろう者が、魔王の脅威を前にして……」


「……争いは、何もうまないんですよ」


開き直った俺は、悟りを開いた賢者のような顔をしてテキトーに返した。

まあ討伐対象が仲間だから断ったんだがな。

なんちゃら王は絶望したような顔で固まったが、そこでヤスオがひょいと手を挙げて助け舟を出した。


「陛下、今日はあくまでも顔見せだったし、互いに行き違いもあった。この話は一旦保留にして、後日改めて話し合おうぜ」


「う、うむ……そうだな。卿の言う通り、少し時間が要るようだ。……辺境伯、卿に任せる」


ヤスオの提案で、俺たちはようやくアグロニア城から解放された。

拠点の屋敷に戻った俺たちは冒険者ギルドイーサ支部長のユータも参加して、緊急の話し合いが行われていた。


「さて、コーセー。城では陛下の手前ああ言ったが……」


ヤスオが酒瓶をテーブルに置き、珍しく真面目な顔(といっても酔っているが)で俺を見た。


「単刀直入に聞くぜ。お前、なんであの依頼を断った? S級への指名依頼、しかも魔王二柱。理由があんだろ?」


「……なあ、そもそも『魔王』ってのはどうやって決まってるんだ? 自称か? それとも、どっかの神様が指名するのか?」


俺の質問に、ヤスオとユータが顔を見合わせる。説明してくれたのはユータだった。


「魔王の認定は、この世界の『五大国家』による合議制で決まります。アグロニア王国もその一角ですね。国に甚大な被害を及ぼす、あるいは国家の存続を脅かす存在を、国際会議で協議して『魔王』として公式認定するんです。つまり、人類共通の敵というレッテルですよ」


「へぇ……で、今は誰がその魔王に認定されてるんだ?ユータ、あんた俺が何で聞いてるか分かってるんだろ?」


ユータが苦笑いしながら資料を取り出し読み上げる。


「現在認定されている魔王は五柱。

一柱は、先ほど出た天空国家スカイの主、『龍魔王ニコタール・スカイ』そこにいるレンレンさんですね。これがコーセーさんあなたが依頼を断った理由ですね?」


「おいおい、ユータ待て。どういうことだよ!?」


ヤスオが驚き、ユータの話を遮ってきた。この際だ、ヤスオとも腹を割って話すか。


「なあ、ヤスオ。俺が転生者って話はしたよな?お前も転生者じゃないのか?」


ヤスオが苦い顔をし「やっぱバレてたか」と呟き肯定する。


「ま、言動でバレバレだよ。ま、それは置いといて。転生者テンプレか知らんが俺はトラブル体質みたいでさ、レンレンやらヤスオ、お前らみたいな、訳ありな奴を引き寄せるみたいなんだよ。ま、詳しい話は後だ。今は続きを聞こうぜ」


俺が促すと、ユータが説明を再開しだした。


「二柱目は、『おぼろの魔王姫』この魔王は私の情報でも良く把握出来ていないんですよ。ターゲットが暗殺予告を受け取ってから数日中に、行方不明になるか精神が壊されるか、死んでるかなんですよね。本来は魔王というより、ただの犯罪者なんですが、暗殺予告の内容が魔王の思考のそれとしか思われなくて、認定された経緯がありますね」


「あーその魔王も、うちのマリンだ」


「「は?」」


あーさすがのユータも、マリンも魔王とは気づいてなかったんだな。


「その暗殺予告って思われているのも、多分ただのラブレターだぞ?なあマリン?」


「……朧の魔王姫なんて、誰が言ったの?私はただ、ラブレターを送った相手がクズだからお仕置きをしていただけよ」


「確かに被害者はクズ貴族ばかりですね。…続けます。三柱目は、双極の魔王ですね。この魔王は神聖フェニキア聖教国の不死·治癒を司る守護精霊を殺したことで魔王認定されました。これも聖教国が情報規制をかけており詳細は分かりませんが精霊に殺されたことだけは分かっています。…キアラさんノッテさん、違いますよね?」


まさか流石に無いだろう。と俺は考えない。むしろ疑う。2人に聞こうとするとエマが先に聞いてくれた。


「キアラ、ノッテどうなの?」


「「お姉様そんな精霊知りませんわ」」


おー良かった。さすがに三柱目はヤバいなと思っていたんだ。2人の即答にユータが心底安心し、胸をなで下ろす。


「良かったです。これ以上胃が痛くならなくてすみそうです。」


「しかし、フェニックスをやった精霊はどんな精霊なんだろうな」


ヤスオのつぶやきにキアラとノッテが首をかしげた。


「「フェニックス?バカみたいに火を纏った鳥ですか?」」


「ああ、そうだよ。火の鳥とか不死鳥とか言われたりもするな」


ヤスオがそう答えると、2人が爆弾発言をする。


「「その生意気な鳥ならやった記憶がありますね。」」


一瞬の静寂が訪れる。


「やっぱりかあー!?」


三柱目の魔王もしっかりと俺たちのパーティーにいた。

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