代償はトイチ
「……おい、ポン。見間違いじゃなきゃ、俺のステータスが不穏なものしか無いんだが」
「おお、幸成! 素晴らしいのじゃ! 一撃絶命のスキル、それは神すら殺せる最強のスキルじゃぞ! ほれ、さっそくあそこの熊に試してくるのじゃ。それとなポン呼びは辞めるのじゃ。わしの精神がけずれてくのじゃ。ワシのことはエマ様と呼ぶのじゃ」
「何?神すら殺せるだと。流石俺だ、俺の異世界無双ムフフな未来が視えてきた。って違うわー。そうじゃなくて、試す前にスキルの横にある詳細も見せてくれ。あとエマポン。その嘘くさい年寄り口調は辞めてくれ。」
「エマポン…まあ有りよりの有りかな。何か響きが可愛いし。じゃなくて、私これでも威厳口調検定3級持ってるのよ。嘘くさいって何よ!まあ、私もこれ疲れるから普通に話すわね。詳細はこれよ」
名前:ニート・コーセー
種族:地獄のキラービー(元人族)
神罰により変異したユニークモンスター
職業:ニートな働き蜂
働いたらダメージ、働かなくてもダメージを喰らう、矛盾の職業
称号:親不孝者、エマの財布
スキル:一撃絶命ワンプッシュ・デッド(効果:お尻の毒針で刺した対象を、防御力・耐性無視で100%即死させる。代償:魂の消滅、蘇生不可)
惰眠(効果:回復。代償:称号ニートな働き蜂により回復効果の相殺)
前借り(効果:徳ポイントを前借りしスキルを購入出来る。代償:トイチ。返済遅れは・・・)
一蓮托生(効果:徳ポイントを消費し、エマのスキルを行使出来る。代償:エマの負債を肩代わり)
徳ポイント:△1,700,000pt(△700,000ptエマのペナルティを一部肩代わり)
あっぶねー、試し打ちなんかしたら、死んでたじゃねーか。てかさ、チートひとつも無いって何、なんなの?仮にも元神族に転生させられてるんだけど!てか肩代わりってなんだよ!
「おい、エマポンさんや。何試させようとしちゃってくれてんの?俺消滅しちゃうよ。お前の借金肩代わりさせられてるしさー」
「コーセー、私たち一蓮托生で頑張りましょうね」
「……お前何か隠してるな?」
「ななな、なんのことかしら?」
「吐け」
「・・・」
「一撃絶命使っちゃうよ?」
「何でよ!そんなことしたらあなたも死んじゃうじゃない」
「なあ、地獄省への問い合わせはどうだった?」
「ギクッ!?」
「……」
「あーもう話します話します。だからその目やめて。怖いから!私が地獄勤務に戻るにはこの世界で徳ポイント100万稼がなきゃいけないの。コーセーの目的を果たすには100万でしょ。で今マイナススタートだから、ここから370万稼ぐだけ、楽勝楽勝!!」
「川で溺れている子を助けました。得られる徳ポイントは?」
「5ポイントくらいかなあ?あっでも助けた子が徳ポイントいっぱい持ってる善人なら2ポイントくらい色つけてもらえるかな。うん、やっぱり楽勝楽勝」
「楽勝じゃねーだろ!俺達は魔物なの!徳積むの大変なの。分かる?討伐対象なの!そもそも何で俺がお前の分まで肩代わりしないといけないんだよ」
「だって私たち一蓮托生だもの。ハッ!そんな細かい事よりコーセー、向こうから徳の匂いがするわ。異世界での初仕事!行くわよ」
「あーもう、後でちゃんと説明しろよ、ツッコミが追いつかん。」
こうして、2匹の蜂による、世にも奇妙な異世界世直し(ポイント稼ぎ)が幕を開けた。




