犯人お前じゃねーか
コーセー達がガチバトルの展開が進んでいる時、レンレンとクルスは珍しく動揺していた。
「……これは少しマズイかもな」
「クルスちゃん、少しじゃなくて、相当まずいわよん。これ。」
二人の目の前には、無残な姿になった、デロリ◯ンがあった。そう、当然だがレンレンとクルスの飴効果も切れたのだ。デロリ◯ンの中で。飴効果が切れてビックリしたレンレンに至っては思わず「やだん、どらっちゃったわぁん」と一瞬だがドラゴンの姿に戻るほどだ。面影は何も無い。
「…これは不可抗力だ」
クルスが呟く。
「そうよん、不可抗力よん。コーセーきゅん、すっごく怒ると思うけど」
「「………」」
2人は無言で見つめあった。
「そうよん、2人で過去と未来の精霊を先に捕まえて、このタイムマシーンの時間を戻させて直させるのよん。」
「その前に、皆戻ってきてバレるんじゃないか」
「大丈夫よん。この頃の私は反抗期だったものん。今ごろバトルしてるだろうから、そうね………今のコーセーきゅん達の実力だと10時間ぐらいは時間に余裕があるはずよん」
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「――死ねえええッ!!」
ニコタールが咆哮をあげ戦鎚を振り下ろしてくる。
「私にお任せを〜」
俺が受け止めようとすると、さっきまでは可愛らしい角が生えた少女だったのに、いつの間にか赤い甲冑を装備し禍々しい角を生やしたアカリ?が飛び出し、金棒で応戦しだした。
「アカリ、大丈夫か!?そいつ馬鹿力だろ」
「まだこれくらいなら余裕っすねー」
アカリの返答の頼もしさに、俺は思わずロジとエラを冷めた目で見る。何しに来たんだあいつら。
「ほう?俺様のフルスイングを受け止めるなんて、ただの虫けらじゃなさそうだな。だが、次はねえぞ!」
「アカリ、コーセーも伏せて!」
エマの声が響くと同時に、漆黒の炎がニコタールの足元から吹き上がる。キアラとノッテは光と闇の弾幕を展開してニコタールを翻弄する…
「いや教育じゃなくて殺しにかかってるじゃねーか!」
「ハハッ! 楽しくなってきたじゃねえか!!」
それなのにニコタールは、俺のツッコミを流してピンピンしてるし。てかさ、じゃねーかの語尾を真似するんじゃねーよ!
「あー、もう! レンレンっち、マジ空気読んでよー! 全然面白くないしー!エイ!」
しまった、油断した。マミはマリンと一緒にニコタールの部下たちを任せたはずなのに。俺は慌ててマリンを見たがすでに敵全てを制圧している。くそ出来る女め。マミの放った瓶がニコタールに当たりピンク色の煙が出る。ニコタールは鼻で笑って言う。
「フン、面白くねえのは、こっちだ! 俺が毒の煙ごときでやられるわけねーだろ! 精霊王、貴様の差し金か知らねえが、この程度で俺様が討てると思ったかぁ!」
隅っこでロジとエラに抱きつかれて震えている精霊王を、ニコタールが恫喝する。が、今はそれどころじゃなくなった。確認しなければ!
「マミ! 今の煙は何の薬だ!?」
「あれはねー、レンレンに頼まれてた、レンレン増産計画の薬だよー!あれ浴びると皆レンレンみたいになれるはず?」
は?今なんつった?レンレン増産計画だと?俺は叫んだ。
「犯人お前じゃねーか!!」
だめだ。マミはガチで手綱握っとかないと、今、俺たちが追ってるロザリーよりタチが悪い。
「アカリ、疲れたわ。お茶持ってきてないの?」
「エマ様ー。地獄茶ならありますよー」
「「お姉様、私たちもご一緒しても?」」
俺の叫びは、もはや悲鳴に近かった。マミ、お前。歴史の修正に来たはずが、お前が一番歴史を変えた犯人じゃねーか!エマにアカリ、キアラにノッテ!遠い目で現実から逃げるな!地獄茶って何だよ!マリンは倒した男をチェックして回るな!
「えー? だってレンレンっち、『私がもう一人いたら最強じゃない?』って言ってたしー」
「もう一人いたらホラーだよ!」
「あぁ!? お前らさっきから、何抜かしてやがる!早死にしたいのかしらぁん?」
ああ、変化が始まったか。
「嫌だわぁん、俺様ったら何を……でも、悪くないわぁん。……俺様はニコタール・スカイだ……これから私は恋に恋する乙女…レンレンよ」
「アカリー、俺にも地獄茶くれー」
俺達は現実から目をそらすのだった。




