表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
親より先に死んだ俺、異世界で徳を積んで無双する  作者: 田舎浪漫


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

41/76

普通っていいなぁ


「しかし、時空旅行している奴らをどうやって止めるんだ?」


意気込んだはいいが、俺たちにはロザリーたちの下へ行く手段がそもそもない。


「アカリ、どうにかならないの?」


エマが尋ねると、アカリは親指を立てた。


「エマ様、気合いッス」


「……コーセー、やっぱり今日は休暇を楽しみましょ。無理なものは無理だわ」


早々に諦めた俺たちは、庭でバーベキューを始めていた。アカリの歓迎会をすると言ってマミがはしゃぎ出したからだ。


「肉!肉焼けたよー!」というマミの元気な声と、炭の爆ぜる音。地獄の崩壊危機なんてどこへやら、庭には平和な香ばしい匂いが漂う。

皆でワイワイ騒いでいると、経営会議に出ていた「さるゆき」こと、キアラとノッテが帰ってきた。


「「お姉様ただいまですわー!……あら?そちらの方は?」」


「おかえり、キアラ、ノッテ。この子はアカリ。実はね……」


エマが肉をモグモグしながら、二人に事の経緯を説明する。無断欠勤、部署崩壊、そして「時空旅行している馬鹿ロザリー」のこと。


「「なるほど……時空の歪みがおきてるのですね」」


二人は顔を見合わせ、声を揃えて言った。


「「なら、精霊界に行きます? 時空への干渉に関しては心当たりがありますわ」」


「……精霊界?」


俺の手からトングが滑り落ちそうになる。地獄の次は、精霊界かよ。


「「ええ。精霊界には過去と未来を司る双子の大精霊がいますわ。私たちのアイディンティティが薄まるのであまり会わせたくありませんが、あのふたりなら、なんとか出来るはずですわ」」


にっこりと微笑む双子の提案に、アカリが「お、それ採用ッス!」と調子よく乗っかる。


「精霊界にはどうやって行くのかしら?」


「お姉様すぐいけますわ」


そう言って二人が取り出したのは、透き通るようなクリスタルでできた、見たこともないほど神々しい鍵だった。


「「精霊界の入り口、開門いたします」」


キアラとノッテが鍵を虚空に差し込み、ぐるりと回す。すると、何もない空間にバキバキとひび割れのような光が走り、そこからエメラルドグリーンの光が溢れ出した。


「うわっ、まぶしっ!?」


俺が目を開けると、そこにはキラキラ光る扉があった。「ヒャッホー」と扉を開けようとするマミを手で制しキアラとノッテを見る。


「なあ、二人とも、精霊界は超SFだったり、ほのぼのファンシーじゃないよな?」


キアラとノッテはさるゆきの中に戻り一言。


「「それは、いってのお楽しみですわ」」


先に扉をくぐる、さるゆきの後を追い

俺たちフェイタル・ガーデンのメンバーも扉をくぐる。後ろで手を振っていたアカリはエマに「あんたもよ」と腕をつかまれていた。


「……ここが、精霊界?」


恐る恐る目を開けると、そこには、SF世界もファンシー世界も無かった。あったのは、イメージ通りな光景だ。

空には二つの太陽があり、大きな浮かぶ島もある。地上は花畑があり、小川も流れている。遠くには山も見えそこには虹が架かっている。やっぱ普通って良いなあ。


「「ようこそ。私たちの故郷、精霊界へ」」


キアラとノッテが裾をつまんで優雅に一礼する。ちなみに、2人が憑依するさるゆきは置いてきた。束の間の自由を楽しんで欲しい。


「キアラ、ノッテ、その双子の大精霊様ってのはどこにいるのかしら?」


俺が辺りを見回すと、キアラが少し複雑な表情で山のほうを指差す。


「「お姉様、あちらの方にある『刻の神殿』ですわ。ただ……あの二人、過去と未来を司っているせいか、性格がちょっと……いえ、かなり個性的ですので」」


「個性的? うちのメンバーよりも?」


俺の問いに、二人は力なく微笑むだけだった。嫌な予感しかしないが、俺達は神殿に向かい歩き出すのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ