あんた何言ってんの?
「え!?どういうこと……?」
俺の困惑した声がリビングに響く。
目の前には、赤髪の獄卒が泣きながらエマに詰め寄っている。
エマは呆然と立ち尽くし、アカリの必死すぎる形相に圧倒されていた。
「アカリ……なんで、ここに?」
エマが問いかけると、アカリは堰を切ったように話し出した。
「エマ様が無断欠勤な上に失踪したから、うちの部署ガチヤバいんですって!!」
アカリの剣幕に、俺は思わず一歩身を引く。
「アオバ先輩は疲労で入院しちゃうし、キータ君は溜まってた有給消化で10年ぐらいの天国ツアーに行っちゃうし、私一人じゃ無理です。帰って来てくださいよー!」
アカリはエマの肩を掴んで激しく揺さぶる。
「アオバが!? あの仕事中毒のアオバが倒れたの!?」
「そうです! アオバ先輩が倒れた瞬間、キータ君、有給申請出して天国ツアーにいきやがったんですよー」
さらに、有給消化で10年も天国へ旅立ったキータの不在。この部署を支えていた主要メンバーが消え、今やアカリ一人の肩に全業務がのしかかっているというのだ。
「私、この4ヶ月くらい、睡眠時間0分なんですよ!? 」
アカリの目にはうっすらと涙が浮かんでいる。地獄って、生前、悪行を積んだ奴が、激しい責め苦を受ける場所だよな?(何で責める側が地獄体験してんだよー!?)俺は心の中で盛大にツッコんだ。この子に直接言うほど俺のメンタルは強くないのだ。
「お願いです、エマ様……このままだと、地獄がブラックすぎて私が消滅しちゃいます……っ! 今すぐ、今すぐ帰って来てください!」
静まり返るリビング。
3ヶ月の平和な同居生活の裏で、地獄省のエマの部署が「エマの不在」によって崩壊の危機に瀕しているという驚愕の事実。
俺は、エマの顔を横目で見た。
彼女は、自分がいない間の地獄の凄惨な状況を聞き、青ざめて言葉を失っている。帰るなら仕方ないよ。俺は、本音を隠しエマに話しかける。
「エマ、今までありがとな。まあ色々あったけど楽しかったよ。たまにはメッセージや、電話くれよ?」
「コーセー……あんた何言ってんの?帰らないわよ?私」
「え?でも地獄はどうするんだ?」
エマがため息をつきながら言う。
「はあ。忘れたのね?私、徳ポイント100万稼がなきゃ地獄省に復帰できないわよ?それに…」
あっ!?忘れてた。エマが続けて言う。
「この子、凄く《嘘つ鬼》よ?」
えー、嘘つきって…「コーセーよく見て、寝てない子の肌ツヤに見えるかしら?」エマの言うとおり、髪
も肌も睡眠不足のそれではない。何の嘘なんだよ!
「それで?本当は何しに来たのかしら?」
「えー、エマ様がそれ言いますー?あっ、でも帰って来てほしいのはホントですよ?」
ムカつくテヘペロをしながらアカリは用件を話しだした。エマにかわって舌引っこ抜くぞ?
「ホントは、閻魔大王様からの伝言を伝えに来ました〜。パチパチ〜はくしゅ〜」
アカリの伝言を要約すると
さっさと帰ってこい!
その為の徳ポイント稼げる隠しクエスト紹介してやる!
《隠しクエスト:時空旅行している馬鹿を止めろ!達成報酬:徳ポイント100万ポイント》
「今地獄、本当に大変ですよ〜死んだ人が生き返ったり生きてた人が魂ごと消滅したり。エマ様の知り合いらしいですよ?その馬鹿」
ロザリーか。エマはアカリから目を逸らし、俺に一言。
「行くわよ」
この瞬間、俺たちフェイタル·ガーデンの時空旅行が、決まった。
アカリのイメージ、AI先生画伯
疲れたので文字少なめ




