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親より先に死んだ俺、異世界で徳を積んで無双する  作者: 田舎浪漫


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24/62

ゲボ


「なあ、俺も冒険者になろうと思うんだ。どう思う?……いや違うな。俺は冒険者になる。俺とパーティー組んでくれないか?」


俺は、目の前の人外共に訪ねた。


「勿論私もなるわ。コーセーと私は一蓮托生だもの」


エマも一緒になってくれるみたいだ。良かった。


「私はいいわよん。コーセーきゅんといたら退屈しなそうだもの〜」


「お前たちと冒険。……それもまた運命かもな」


「皆で愛を探す冒険ね」


「「お姉様を、貴様だけに任せられない」」


レンレン、クルス、マリン、キアラとノッテが答える。


「決まりだな」


ドラゴンの王、余命1年のホムンクルス、人魚の逃亡犯、猿(双子の精霊)、そして元神と転生者の蜂。まともな「人間」が一人もいない、世界で最も危険で、最もデタラメなパーティが、この夜、密かに結成された。


「……隠し事はもうなしだ。俺は、この世界を俺の目で見てみたい。お前たちは、目的があるのか?」


「私は暇つぶしよん。退屈は敵だわぁん。」


1万年以上の時を生きたレンレンが空を眺めながら言う。


「俺は、最後に生きた証が欲しい。この体が朽ちるその瞬間まで、お前の盾として、マスターが愛した『ニホン』の魂を持つお前を守ろう」


クルスが、鉄のような拳を胸に当てる。


「私は愛を探しに行くだけ。貴方を刺すか、誰かを刺すか……楽しみね」


マリンの瞳には相変わらず危うい光が宿っているが、その足取りに迷いはない。


「「私たちはお姉様を支える。」」


キアラとノッテが、エマの左右で胸を張る。


「……俺たちは英雄じゃない。ただの『はみ出し者』だ。だが、だからこそやれることがあるはずだ」


俺は焚き火の前に手を差し出した。


「互いの過去には干渉しない。だが、このパーティにいる間は、お前たちの力は俺のものだ。俺の力も、お前たちのものだ。……文句はないな?」


次々と手が重なる。

レンレンの熱を帯びた手、クルスの冷たく硬い手、マリンの柔らかな手、そして精霊たちの光り輝く手。最後にエマが、一番上に添えた。


「史上最悪にややこしいパーティの結成ね。せいぜい、私を頼ませてよ? コーセー」


「ああ、約束する」


焚き火の残火に照らされた7人の影が、一つの巨大な影となって地面に伸びた。


翌朝。広場には旅装を整えた俺たちが並んでいた。二日酔いで真っ青な顔のヤスオとユータが俺の前に立つ。


「ヤスオ。俺たちは、冒険者として旅に出ることにした」


俺の言葉に、ヤスオは「やっぱりか」と項垂れつつも、力強く俺の肩を叩いた。


「わかったよ。お前みたいなヤバい奴を、こんな狭い所に閉じ込めとくのは世界の損失だ。……たまには戻ってきて、また蜂蜜酒で乾杯しようぜ」


「ああ、約束だ。トールとマミもしっかりな」


「はい! 俺も、もっと強くなって、いつか皆さんに追いつきます!」


トールの真っ直ぐな瞳に、少しだけ胸が熱くなる。俺たちが歩き出そうとした、その時。


「待って! あーしを置いていくなんて、無いわ〜」


背負い袋をパンパンに膨らませたマミが、トールの制止を振り切ってこっちにきた。


「マミ!? お前、何言ってるんだよ!」


「お兄ちゃん、黙ってて。あーし、皆と一緒に行くって決めたの」


マミは俺の前に立ち、腰に手を当てて仁王立ちした。


この真っ黒で煮詰まったような人外パーティに加わろうというのか。


「コーセーっち、私を連れていかないと、蜂蜜酒の作り方、誰にも教えないんだからね! 」


「……それは困るな」


俺はエマと顔を見合わせ、苦笑した。


「いいんじゃない? 毒消しにはちょうどいいわ。……それに、この子がいれば、あなたも少しは『人間』として振る舞えるでしょ?」


エマの許可も出た。


「わかったよ、マミ。お前が俺たちの『胃袋』担当だ。ただし、俺たちの本当の姿を見ても泣くんじゃないぞ?」


「泣かないわよ! アーシ変わったの」


うん、キャラがいつの時代かのギャルになってる。人って一晩で変わるものなんだな。


「まあ、良いいか。じゃあ最初は俺とエマ、マミの冒険者登録からだな」


「私もギルドに戻りたいので、街までご一緒させて下さい、ヒック。登録も私がすれば、早いですし、ヴッ」


青い顔をした二日酔いのユータが言う。それに同意し、


「よし、行こう!」


「ゔぅおゔぁゔぉえー」


俺達の門出はユータのゲボからスタートするのだった。

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