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親より先に死んだ俺、異世界で徳を積んで無双する  作者: 田舎浪漫


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23/62

告白


「……よし、野郎ども! 今日は最高の勝利だ。乾杯!!」


人化した俺が、乾杯の音頭を取ると、いくつもの木製ジョッキが激しくぶつかり合った。


「うおおおおお! 待ってましたぁぁぁ! この匂い、この輝き! 蜂蜜酒解禁だぁぁぁ!!」


ヤスオが獣のような咆哮を上げ、琥珀色の液体を喉に流し込む。その横で、いつもは冷静なユータも顔を真っ赤にして「これは……美味すぎる……」と漏らしている。


宴は一気に加熱した。酔ったユータが笑上戸で裸で踊り(ドワーフの本能がでたと思われ)、負けじとヤスオも脱ぎだして、それを止める弟子のトール。キャンプファイヤーを囲い、笑い声と怒号が夜空に吸い込まれていった。


深夜。狂乱の宴が嘘のように、広場は静まり返っていた。周囲には蜂蜜酒の甘い香りと、泥酔して使い物にならなくなったヤスオやユータたちの高いいびきが重なり合っている。


俺は、一人火の粉を見つめていた。その隣に、音もなくエマが腰を下ろす。


「……人化したら、あなた髪の毛ピンクなのね、似合ってるわよ」


「エマも、さらに美人になった」


よし、惚れたな、これは。俺は鈍感系主人公じゃない。ここから俺たちのムフフな異世界生活が始まるんだ。


「コーセー、一人盛り上がっているとこ悪いんだけどあなた、念話しながら妄想してるわよ?鈍感じゃなくて勘違い系主人公ね?」


冷めた目でエマが俺を見ている。


「……遠くに逃げたい。」


「……あら、二人きりで愛の逃避行の相談かしら? ウフッ、情熱的ねぇ」


俺のつぶやきに反応して、暗闇から現れたのは、レンレンだった。


「……起きてたのか、レンレン」


「あら、私たちに何か用事かしら?初代国王様?」


エマの、誰何に、レンレンの動きが止まった。

彼女――いや、15763歳のエンシェントドラゴンは、髭を撫でるような仕草をしながら、ニヤリと笑みを浮かべた。


「……参ったわねぇ、お嬢さん。やっぱりバレてたのねぇん?それとも 私の『空中散歩チャンネル』の視聴者かしらん

?」


「登録者82人のチャンネルなんて見ないわよ」


レンレンが姿を現したのを合図に、他の三人も次々と影から踏み出してきた。


「……俺のことも、バレてるか?」


巨大な体を揺らして現れたのはクルスだ。


「クルス。お前の寿命……あと1年だったな」


俺の言葉に、クルスは重々しく頷いた。


「そうだ。俺を作っマスターはもういない。だからどうする事も出来ない。生命活動が停止するまで残り295日だ。」


「あら、あなた死期が近いのね。貴方と結婚して未亡人になるのもありかしら?」


マリンが、舌舐めずりをしクルスを見る。その瞳には、「メンヘラアサシン」特有の病んだ光を宿して。


「マリン、一次的にとはいえ、パーティーを組んだ仲間のことをからかうな。海底国家に引き渡すぞ?」


「…私はエルフよ?ってヤッパリばれてるわよね」


俺がマリンを嗜めていると、「ドサリ」、急にさるゆきが倒れた。


「「じゃあ私たちのこともバレているのね英雄さん?」」


さるゆきの身体から出てきた2人が俺に問いかけてくる。


「ああ、知ってるよ。光と闇の大精霊のお二人さん?なんてお呼びすれば?」


俺も問いかけると、二人は困った顔をして答える。


「「私たち精霊に名前の概念はない。好きに呼んで」」 


「じゃあ、光の精霊さんはキアラ、闇の精霊さんはノッテね」


「「え?……」」


エマが速攻で2人に名前をつけると、2人の精霊…キアラとノッテの身体が一瞬眩く光り、2人は口を揃えエマに尋ねる。


「「エマ…様は神なのですか?」」


「エヘ、バレちゃった。元神族よ。今は地獄のクイーンビーね」


「エマ。何が起きたんだ?」


「名前を持たない精霊に、神族が名前をつけるとね、眷属になっちゃうの。元神族の私でも同じみたいね」


「「エマ様、いえお姉様とお呼びしても?」」


「ええ、良いわよ!」


やったーとはしゃぐキアラとノッテを他所に俺たちの反応はそれぞれだ。


「やっぱりねぇん」


「神だったのか」


「恋愛の神様かしら?」


レンレン以外は気付いていなかったみたいだ。俺のことも気付いて無いかも知れない。


「なあ、皆実は俺も……」


俺が意を決して告白しようとすると、


「転生者よねぇん」


「マスターと同じニホンからだな。」


「バレバレよ?」


「「お姉様の眷属は私たちだけで良い」」


「何で分かるんだよー!?ってキアラとノッテは殺気を、向けてくるなー」


5人に無慈悲に伝えられ、真夜中に俺の叫びが木霊する。


「うるせー!!」


イビキをかきながらヤスオに酒瓶を投げられた。ぐぬぬ。








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