結局自分でスクリプトを書かないといけないんですか?
**三月のシベリア高気圧はまだ強い勢いで、一陣の冷たい風が顔を刺すように痛い。**
「新学期初めての集団ランニングだぞ!しっかり整列して、きれいに走れ!どのクラスでも列が乱れたら承知しないからな!」
ああ、まったく…。
教頭先生がしつこく話している隙に、俺はクラスの隊列をちらりと見た。方形の隊列はグラウンドの北側に位置していて、背が高すぎる俺は最後列の内側。右隣は同じ部活の海言だ。
ちらりと小光さんを見た。
彼女は女子たちの輪の中で楽しそうに笑いながら話していた。明るく社交的だから、転校して一週間でクラスにすっかり溶け込んでいるんだ…。
一方俺は…はあ…。まったくのオタクだ!
軽くため息をつき、うつむくと、桃の香りのシャンプーの匂いが漂ってきた…。
え? 周りは男ばかりなのに、この匂いはどこから?
無意識に頭を左に傾けた。
「わあっ!?」
「………」
クラス中の視線が俺に集まっている気がした。
左隣に立っているのは新入部員の白欣淼…いや、今は風紀委員の白欣淼だ。新高一で委員に立候補したんだっけ?
彼女を見ると、なぜか欣淼さんはずっとうつむいたまま、耳を赤くしていた。
「あの…欣淼さ」「…部長」
二人同時に声を出した。
しまった、どうしよう? こっそり彼女を見ると、ちょうど彼女の視線と合ってしまった…。
ランニング用の音楽が流れ始めた。
もういい、走り出そう! だが、欣淼さんがなぜかずっと俺の隣を走っている。海言の方を見ると、彼も困惑した顔でこっちを見ていた。頼むよ、助けてくれ!
「これ、俺たちの部活の子?」海言がこっそり聞いてきた。
顔を上げると、前方の巨大な時計台がゆっくり近づいてくるのが見え、仕方なくうなずいた。
前には黒山のような人だかりが続き、背中に冷や汗が流れた。この凌遅刑のような居心地の悪さで、まったく走る気が起こらない。
「????」
突然、何かに足を取られた。見ると、靴紐がいつからか解けていた。
「…え? あっ!!」
その拍子に、隣の欣淼さんも巻き込んで、俺たちは芝生の上に転がってしまった。
これではランニングどころではない…。
海言が俺に向けて痴漢のような笑みを浮かべているのが見えた。左側では、欣淼さんが体を半身にひねって地面に膝をついたままだった…。
この状況、どんなライトノベルの主人公でも先手を打つだろう! 俺は彼女の部長なんだ! とにかく、心配してみよう。
「欣淼さん…だ、大丈夫?」
「ええええっ???」
「だ、大丈夫です…部長」欣淼さんの声は次第に小さくなり、顔を赤くしたままうつむいていた。
ああ、この後どうすればいい? 俺にはわからない!
欣瑶の言う通りだ、俺は一生独身でいる運命なんだろうな…。
周りのランニング中の人々がこっちをチラチラ見ている。男女がこんなところに座り込んでたら、みっともない! まずは立ち上がろう。
「欣淼さん、その…まず立ち上がりましょうか」俺は立ち上がり、服の土を払った。両手は自然に腿の横に下ろしている。
すると、
欣淼さんが俺の手を掴んで立ち上がった。
「…ありがとうございます、部長」欣淼さんは顔をそらした。いや、手を引けなんて教えてないぞ! このまま生徒指導の先生が見つけたら終わりだ。
そう思った直後、地面が滑ったのか、欣淼さんはよろめき、再び俺の手を掴んだ。滑る力で彼女の指が下にずれ…そして、
指が絡み合った。
(????? これって告白されたってこと!?)恥ずかしさで、俺はさっと身を引いた。
「ああああ欣、欣淼さん! あの、俺先に戻るからね!」
「?? ちょ、待って!」
「はぁ………」欣淼さんは深く息を吸い込んで言った。
「昨日はほんとに…すみませんでした、部長。今日、欣瑶が、えっと、部活で…もう一度…」
欣淼さんの言葉はますます纏まらなくなり、最後は言い切れずに、首を振り、顔を真っ赤にして走り去ってしまった。
まあ…どうやら午後にもう一度来いってことらしいな。欣瑤ったら、欣淼さんにそう伝えさせるなんて、二人ともすごく気まずいじゃないか。
ため息をつき、俺は一周遅れの隊列に急いで戻った。
+
「遅れてすみません」「お邪魔しまーす」
俺と小光が同時に部室に入ると、欣瑶は漫然と目の前の資料を見ていた。
海言もいるのか…。こいつを呼び出すなんて、今回は相当重要な用事なんだろうな。
って、お前何してるんだ海言!? なんで新しい部員の欣淼さんに話しかけてるんだ? 欣淼さんはもう頭が地面につきそうなほど下げているじゃないか! それセクハラだぞ!
「あら、二人組はいつ来たの?」「Just nowってとこかな」
「ああ、それより早く、どの出し物に申し込むか決めなよ」欣瑶が俺をせかす。
毎年の慣例で、個人の特技発表以外に、部活として一つプログラムを出さなきゃならない。
「俺たちの部活って、何ができるんだっけ?」
「演劇…」
「他には?」小光が聞いた。
「ないね」「え…? じゃあ、この一つしか選べないってこと?」小光は欣瑶を怪訝そうに見た。
「そうなのよ!」欣瑶は不満そうに俺に唇を尖らせた。
「部長が程鈺じゃなかったら、もっと部員が集まってたはずなのに! そうしたら暁光さんも好きなプログラムを選べたのに」
「おい、欣瑶よ」
(俺のせいにするなよ! 部員が集まらないのは先代の部長に聞けよ!)
「いいから、とりあえず申込書をよこせよ」
「なによ、それ!?」欣瑶は俺を小突いたが、自分から笑い出してしまった。
**中州交通第一中学校 科学芸術祭 部活動風貌展示プログラム一覧(草案)**
英語協会・英語吹替え研究会:「バービル・ファッション」…うん、理解不能。次。
化学研究会:「15歳のベンジルアルコールが体育会系の青酸に無理やり開かれる(炭骨格)」…は? この部活、アウトだろ?
黄河文学社・心理研究会:「負けるたびに服を脱ぐビーチだと、私は知らなかった?」…うん、タイトルはライトノベル風だけど、心理研究会は何しに来てるんだ?
演劇部・星火社:「異性と付き合う前に、まず擬似恋愛リハーサルをしよう!」??? なんだこれ、ありえねえ。
漫画アニメ研究会:「転生したら科芸祭で二次元をやった件」????
小説協会・文芸協会:未定
……。
読み終わって、俺の目が虐待を受けた気分だ。俺の学校も終わってるな。
「何か思いついた、程鈺?」「なんか絶望してるみたいだけど?」
振り返ると、小光も欣瑶も俺を見ていた。
ふふふ、みんな抽象的で行くんだな…。じゃあ、俺も加わろう。
「よし、じゃあオリジナル脚本を書いて、それを演じよう」




