表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
4/5

結局自分でスクリプトを書かないといけないんですか?

**三月のシベリア高気圧はまだ強い勢いで、一陣の冷たい風が顔を刺すように痛い。**


「新学期初めての集団ランニングだぞ!しっかり整列して、きれいに走れ!どのクラスでも列が乱れたら承知しないからな!」


ああ、まったく…。


教頭先生がしつこく話している隙に、俺はクラスの隊列をちらりと見た。方形の隊列はグラウンドの北側に位置していて、背が高すぎる俺は最後列の内側。右隣は同じ部活の海言だ。


ちらりと小光さんを見た。


彼女は女子たちの輪の中で楽しそうに笑いながら話していた。明るく社交的だから、転校して一週間でクラスにすっかり溶け込んでいるんだ…。


一方俺は…はあ…。まったくのオタクだ!


軽くため息をつき、うつむくと、桃の香りのシャンプーの匂いが漂ってきた…。


え? 周りは男ばかりなのに、この匂いはどこから?


無意識に頭を左に傾けた。


「わあっ!?」


「………」


クラス中の視線が俺に集まっている気がした。


左隣に立っているのは新入部員の白欣淼…いや、今は風紀委員の白欣淼だ。新高一で委員に立候補したんだっけ?


彼女を見ると、なぜか欣淼さんはずっとうつむいたまま、耳を赤くしていた。


「あの…欣淼さ」「…部長」


二人同時に声を出した。


しまった、どうしよう? こっそり彼女を見ると、ちょうど彼女の視線と合ってしまった…。


ランニング用の音楽が流れ始めた。


もういい、走り出そう! だが、欣淼さんがなぜかずっと俺の隣を走っている。海言の方を見ると、彼も困惑した顔でこっちを見ていた。頼むよ、助けてくれ!


「これ、俺たちの部活の子?」海言がこっそり聞いてきた。


顔を上げると、前方の巨大な時計台がゆっくり近づいてくるのが見え、仕方なくうなずいた。


前には黒山のような人だかりが続き、背中に冷や汗が流れた。この凌遅刑のような居心地の悪さで、まったく走る気が起こらない。


「????」


突然、何かに足を取られた。見ると、靴紐がいつからか解けていた。


「…え? あっ!!」


その拍子に、隣の欣淼さんも巻き込んで、俺たちは芝生の上に転がってしまった。


これではランニングどころではない…。


海言が俺に向けて痴漢のような笑みを浮かべているのが見えた。左側では、欣淼さんが体を半身にひねって地面に膝をついたままだった…。


この状況、どんなライトノベルの主人公でも先手を打つだろう! 俺は彼女の部長なんだ! とにかく、心配してみよう。


「欣淼さん…だ、大丈夫?」


「ええええっ???」


「だ、大丈夫です…部長」欣淼さんの声は次第に小さくなり、顔を赤くしたままうつむいていた。


ああ、この後どうすればいい? 俺にはわからない!


欣瑶の言う通りだ、俺は一生独身でいる運命なんだろうな…。


周りのランニング中の人々がこっちをチラチラ見ている。男女がこんなところに座り込んでたら、みっともない! まずは立ち上がろう。


「欣淼さん、その…まず立ち上がりましょうか」俺は立ち上がり、服の土を払った。両手は自然に腿の横に下ろしている。


すると、


欣淼さんが俺の手を掴んで立ち上がった。


「…ありがとうございます、部長」欣淼さんは顔をそらした。いや、手を引けなんて教えてないぞ! このまま生徒指導の先生が見つけたら終わりだ。


そう思った直後、地面が滑ったのか、欣淼さんはよろめき、再び俺の手を掴んだ。滑る力で彼女の指が下にずれ…そして、


指が絡み合った。


(????? これって告白されたってこと!?)恥ずかしさで、俺はさっと身を引いた。


「ああああ欣、欣淼さん! あの、俺先に戻るからね!」


「?? ちょ、待って!」


「はぁ………」欣淼さんは深く息を吸い込んで言った。


「昨日はほんとに…すみませんでした、部長。今日、欣瑶が、えっと、部活で…もう一度…」


欣淼さんの言葉はますます纏まらなくなり、最後は言い切れずに、首を振り、顔を真っ赤にして走り去ってしまった。


まあ…どうやら午後にもう一度来いってことらしいな。欣瑤ったら、欣淼さんにそう伝えさせるなんて、二人ともすごく気まずいじゃないか。


ため息をつき、俺は一周遅れの隊列に急いで戻った。


+


「遅れてすみません」「お邪魔しまーす」


俺と小光が同時に部室に入ると、欣瑶は漫然と目の前の資料を見ていた。


海言もいるのか…。こいつを呼び出すなんて、今回は相当重要な用事なんだろうな。


って、お前何してるんだ海言!? なんで新しい部員の欣淼さんに話しかけてるんだ? 欣淼さんはもう頭が地面につきそうなほど下げているじゃないか! それセクハラだぞ!


「あら、二人組はいつ来たの?」「Just nowってとこかな」

「ああ、それより早く、どの出し物に申し込むか決めなよ」欣瑶が俺をせかす。


毎年の慣例で、個人の特技発表以外に、部活として一つプログラムを出さなきゃならない。


「俺たちの部活って、何ができるんだっけ?」

「演劇…」

「他には?」小光が聞いた。

「ないね」「え…? じゃあ、この一つしか選べないってこと?」小光は欣瑶を怪訝そうに見た。

「そうなのよ!」欣瑶は不満そうに俺に唇を尖らせた。

「部長が程鈺じゃなかったら、もっと部員が集まってたはずなのに! そうしたら暁光さんも好きなプログラムを選べたのに」

「おい、欣瑶よ」

(俺のせいにするなよ! 部員が集まらないのは先代の部長に聞けよ!)

「いいから、とりあえず申込書をよこせよ」

「なによ、それ!?」欣瑶は俺を小突いたが、自分から笑い出してしまった。


**中州交通第一中学校 科学芸術祭 部活動風貌展示プログラム一覧(草案)**

英語協会・英語吹替え研究会:「バービル・ファッション」…うん、理解不能。次。

化学研究会:「15歳のベンジルアルコールが体育会系の青酸に無理やり開かれる(炭骨格)」…は? この部活、アウトだろ?

黄河文学社・心理研究会:「負けるたびに服を脱ぐビーチだと、私は知らなかった?」…うん、タイトルはライトノベル風だけど、心理研究会は何しに来てるんだ?

演劇部・星火社:「異性と付き合う前に、まず擬似恋愛リハーサルをしよう!」??? なんだこれ、ありえねえ。

漫画アニメ研究会:「転生したら科芸祭で二次元をやった件」????

小説協会・文芸協会:未定

……。

読み終わって、俺の目が虐待を受けた気分だ。俺の学校も終わってるな。

「何か思いついた、程鈺?」「なんか絶望してるみたいだけど?」

振り返ると、小光も欣瑶も俺を見ていた。

ふふふ、みんな抽象的で行くんだな…。じゃあ、俺も加わろう。

「よし、じゃあオリジナル脚本を書いて、それを演じよう」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ